元日本代表監督ザッケローニ氏 忖度なしで言い切った 優勝候補は「日本だ!私は信じている」
[ 2026年4月10日 04:45 ]
【サッカー2026W杯北中米大会 最高の景色を見に行こう(2)】
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元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏(73)がスポニチの単独インタビューに応じ、W杯北中米大会の優勝候補の一角に日本を挙げた。14年W杯ブラジル大会後に日本代表監督を退任後も、サムライブルーの動向を欠かさずにチェックするなど今も日本への愛は強い。組織力に個の力も加わった森保ジャパンの実力に太鼓判を押し、本大会での躍進に期待した。(取材・構成 木本 新也)
愚問だった。ザッケローニ氏に「日本を離れてからも日本代表の試合をチェックしていますか?」と問うと即答された。「当たり前だ!イタリア代表以上に追い続けているぐらい」。リップサービスではない。実際に3月31日はイタリアが3大会ぶりのW杯切符を懸けたボスニア・ヘルツェゴビナ戦と同時刻開始の日本―イングランド戦を観戦するためウェンブリー・スタジアムを訪れていた。
「日本は選手が犠牲の精神を持ってチーム一丸で戦える世界でも数少ないチーム。日本人はスピードがあり、組織力があり、運動量がある。今や南米の選手よりも技術は高い。謙虚な心を失うことも決してない。この数年で、どの国とも対等に戦えるだけの力をつけたと思う」
22年W杯カタール大会は国際サッカー連盟(FIFA)技術研究グループの一員として視察。日本がスペイン戦で得点した際は喜びを爆発させ、FIFAスタッフから「FIFAの仕事をしているのだから特定の国を応援しないで」と注意された。今も日本愛の強いザック氏。「忖度(そんたく)なしで優勝候補を挙げてほしい」とリクエストすると、迷わずに言い切った。
「日本だ!イタリア人は皆、日本はダークホースと言っているが、私は優勝すると信じている。フランス、スペイン、アルゼンチン、ブラジルなどの優勝経験国が日本のライバルになるが、どこが本命かはコンディション次第なので現時点では予想できない」
自身が日本を率いた14年W杯ブラジル大会は1次リーグ敗退。MF本田圭佑ら一部選手が優勝を目標に掲げる中、1分け2敗の勝利なしに終わった。気候の違いや時差を伴う広域開催は今夏の北中米大会と同じ。当時の日本協会はコンディション調整の失敗を敗因に挙げたが、ザック氏の見解は違った。最も注意すべき点は、選手の心理面だという。
「気候の違い、移動、時差などは関係ない。積み上げたものをチームとして表現できるかに尽きる。ブラジル大会の日本は本当に強いチームだったが、本番で実力を発揮する成熟度がなかった。選手は相手を過剰にリスペクトし、何かに恐れる子供のような感覚で初戦に臨んでしまった。試合に入るまで選手の心情を察知できなかった私のミス。初戦のアプローチに失敗したことは今でも心残り」
ザック氏が日本代表監督時代に主将を託した長谷部誠が、森保ジャパンではコーチを務める。24年夏には生活拠点を置くチェゼナティコで再会。現役引退の報告を直接受けるなど信頼関係は厚い。
「長谷部の人間性やキャリアを考えれば、会長でも監督でもダイレクターでも、何でもできる。常に日本代表に関わるべき人材で、私が監督だったら必ず彼を近くに置く。彼の経験を伝えることで、相手をリスペクトし過ぎず、自分たちの力を出せるはず」
ザック氏は森保監督と23年秋にデュッセルドルフ市内のレストランで偶然出会ったことがある。握手をした際の低姿勢な振る舞いが印象的だったという。最後にチームへのアドバイスを求めると、首を横に振った。
「森保という素晴らしい監督がいるので、私が助言などすべきではない。あえて言うなら、森保はいいチームをつくったので、握手をする時はもっと堂々としてほしい。それは冗談だが、それくらいいい仕事をしている。ニッポン、ガンバレ!」
第一線で采配していた頃と比べて表情は穏やか。温かい目で日本代表を見守っている。
◇アルベルト・ザッケローニ 1953年4月1日生まれ、イタリア北部ロマーニャ州出身の73歳。83年に当時セリエCのチェゼナティコで監督のキャリアを開始。ウディネーゼ、インテル・ミラノ、ユベントスなどの監督を歴任し、98~99年シーズンはACミランを優勝に導いた。日本代表監督時代は11年アジア杯優勝、14年W杯1次リーグ敗退。16年に北京国安、17~19年はUAE代表を指揮。
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