那須川天心が涙の復活勝利「勝つって…こんなにうれしいんですね」 元世界2階級制覇王者を9回TKO

[ 2026年4月11日 20:54 ]

WBC世界バンタム級挑戦者決定戦   同級1位 フアンフランシスコ・エストラダ(メキシコ)<12回戦>同級2位・那須川天心(帝拳) ( 2026年4月11日    両国国技館 )

<那須川天心vsエストラダ>9回TKO勝ちした那須川(撮影・松永 柊斗)
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 プロボクシングWBC世界バンタム級2位の那須川天心(27=帝拳)が同級1位の元世界2階級制覇王者フアンフランシスコ・エストラダ(35=メキシコ)を9回TKOで破った。約4カ月半ぶりの再起戦で復活を遂げ、昨年11月に敗れたWBC同級王者・井上拓真(30=大橋)にリベンジするチャンスを得た。

 公式戦初黒星から約4カ月半。連敗は許されない「崖っぷち」のリングで“神童”が覚悟を示した。世界3階級制覇を見据えるレジェンド相手に、世代交代をやってのけた。

 入場時には両国国技館のファンから大声援が注がれる中、集中した表情でリングに上がった。第1ラウンド。左のボディーが入ってエストラダがバランスを崩すシーンもあった。3回に前の圧力を強め距離が縮まる中、那須川の打ち終わりにエストラダがカウンターを当てる展開。4回終了時点での公開採点では、39―37で那須川、残り2人のジャッジが38―38とした。

 5回には右ストレートで前に出てきた相手に左ボディーを放った那須川の頭が当たり、バッティングでエストラダが倒れ込んだ。スピードで上回る那須川は、上下のコンビネーションで手数を出し、ボディーやストレートで相手を後退させ、右アッパーも当たるようになった。8回終了後の採点は77―75、78―74、79―73でいずれも那須川となった。

 10回開始前にエストラダはコーナーを立ち上がることができず、そのままTKOとなった。観客から大きな声援を受けた那須川は涙を流し、その後、笑顔に変わった。「泣いてないよ、泣いてないって。勝つってこんなうれしいんですね。みんなに支えられて復活できました」としみじみ語った。。

 昨年11月の世界初挑戦で井上拓に0―3判定負けし、格闘技55戦目で初黒星。SNS上でのアンチコメントは相手にしない那須川だが「自分のことが信じられなくなった」。“なめんじゃねえよ”“おまえ、こんなもんじゃねえだろ”と、自身に対する怒りの感情も芽生え出したという。

 敗戦を機に練習環境も見つめ直した。キックボクサー時代にボクシングの指導を受けていた、元帝拳ジムトレーナーで現GLOVESジム会長の葛西裕一氏とタッグを再結成。キック時代の動きや距離感を参考にしながら、同氏からは新必殺技「10センチの爆弾」を伝授された。課題としてきた接近戦克服へショートパンチを習得。スパーリングではあえて近い距離で足を止めて打ち合うなど、弱点と向き合ってきた。

 5月2日に東京ドームで行われる王者・井上拓―井岡一翔(志成)の勝者への挑戦権を得た。それでも見据えるのは「人生懸けて負けた相手」と話す“因縁”の井上拓へのリベンジのみ。「やり返さないと気が済まない。しっかりリベンジするための第一歩。必ずやり返します」。進化した姿で再挑戦し、最高の結果を出してみせる。

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