【新日本】さらば棚橋弘至 ありがとう――猪木引退試合以来「夢見た」東京ドーム超満員札止めに感涙
[ 2026年1月5日 05:00 ]
WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム ( 2026年1月4日 東京ドーム )
Photo By スポニチ
さようなら、そしてありがとう新日本のエース――。「100年に1人の逸材」棚橋弘至(49)が26年のレスラー人生に終止符を打った。オカダ・カズチカ(38=AEW)との引退試合は相手の必殺技「レインメーカー」を浴びて有終の美を飾ることができなかった。それでも東京ドームを超満員4万6913人で埋め尽くす念願を果たし、感涙の「10カウント」ゴングを聞いた。今後は団体の社長に専念しプロレスの新たな可能性を追求する。
これが追い求めてきた「最高の舞台」だった。割れんばかりの大歓声、そして棚橋コールが鳴りやまない。ドームで超満員札止めは大学3年時に生観戦した98年4月のアントニオ猪木引退試合以来。4万6000人超が醸し出す独特の雰囲気を体感した棚橋のハートに万感の思いが去来し、涙があふれた。
「僕が新日本で夢見た超満員が見られました。達成感、そして感謝。これからの野望、いろんな感情が湧いてきました」
2010年には海外武者修行の壮行試合の相手を務め、12年にはベルトを奪われるなど「レインメーカーショック」を味わったオカダ・カズチカと18度目の一騎打ち。棚橋はスリングブレイド、ハイフライフロー、飛龍原爆固めの得意技に加え、宿敵の必殺技レインメーカー(短距離式ラリアット)までも繰り出した。だが「レベルが違いすぎる」と認めるオカダの壁は厚かった。33分3秒、強烈なレインメーカーを食らうと、意識がもうろうとする中で3カウントを聞いた。
高校までは野球少年。スポーツ新聞の記者を夢見て立命大に進んだが、プロレスという最高のパートナーに恋をした。3度目の挑戦で入門し、デビュー直後に大きな転換期に直面する。00年代前半は格闘技のK―1、PRIDEの波が押し寄せ、格闘技路線に歩み寄った新日本は多くの先輩レスラー、同世代の若手が退団。客席は空席が目立ち、団体消滅の危機にもひんしていた。
それでも新日本LOVEの棚橋は残留し、従来の硬派のイメージを一新した。筋骨隆々の肉体をつくり上げ、タイツは派手な色彩を使用。自らを「100年に1人の逸材」と名乗ってブーイングも浴びた。チャラい、しょっぱいと言われようが自らのスタイルを貫き常に全力投球。ファンとの距離を縮め団体のV字回復に貢献した。
試合後のセレモニーではエアギターを披露し、最後に「東京ドームの皆さん、愛してまーす」とファンへ感謝を伝えた。「僕はプロレスファンになって人生が1000倍楽しくなった。そう思える人を一人でも増やしたい」。ドームを超満員にするという夢をかなえた先には、社長としての新たな戦いが待っている。
▽アントニオ猪木引退試合(1998年4月4日) 東京ドームに約7万人を動員し、満員札止めとなった。猪木は米国人のドン・フライに4分9秒、グランドコブラで勝利。引退セレモニーでは「道」を朗読して伝説となった。
≪棚橋弘至の歩み≫
▼99年4月 レスリングに取り組んだ立命大卒業後、新日本プロレス入門。
▼同10月10日 後楽園ホールで真壁伸也(現真壁刀義)を相手にデビューし敗戦。デビュー3戦目でプロ初勝利。
▼02年11月28日 交際中の女性から背中を刺されるスキャンダル。
▼03年4月23日 自ら提唱したU―30無差別級王座の優勝決定戦で真壁を下し、自身初となるタイトル獲得。
▼05年1月4日 東京ドーム大会のメインで中邑真輔と初めてシングル戦。腕ひしぎ十字固めに敗れ、U―30王座から陥落。
▼06年7月17日 IWGP新王者決定トーナメント決勝戦でバーナードを破り、IWGP王座初戴冠。「愛してま~す」と絶叫。
▼09年1月4日 IWGP王座挑戦し武藤を破り、長らく他団体に流出していたベルト奪還に成功。
▼12年1月4日 鈴木みのるを撃破し最多記録となる11度目の防衛に成功。
▼同2月12日 オカダ・カズチカのレインメーカーに敗れてベルトを失う。
▼19年1月4日 IWGPヘビー級王座のオメガに勝利し8度目の戴冠。自身の持つ最多戴冠記録を更新。
▼24年10月14日 デビュー25周年記念試合に出場。勝利後、「棚橋のゴールを決めました」として引退を宣言。26年1月4日に現役引退することを表明した。
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