スケボー期待の新星・根附海龍 夢は「米国に行ってプロに」 金髪似合う20歳!五輪代表争いで躍進中

[ 2024年5月14日 05:30 ]

スケートボードを手にジャンプする根附(撮影・木村 揚輔)
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 スケートボード・ストリート男子でパリ五輪予選ランキング5位(日本勢2番手)につける根附海龍(かいり、20=DC Shoes)が、五輪予選第7戦(16~19日、中国・上海)を前にスポニチのインタビューに応じた。22年7月に始まった予選大会で最初の3戦は20位台に低迷も、その後は4→2→1位と急浮上。辰年の五輪で、昇り竜のごとく一気に金メダリストへと駆け上ろうとしている。

 23年1月から続ける金髪は、当初は「“ユウト”と言われるから」と背格好の似た堀米雄斗との差別化を図るためと説明していたが、「関係ないっす。ただただ、したかった。ノリで。高校も卒業したし」。金メダルへの験担ぎ?との問いにも「そういうのはないっす。好きな色は緑とか」。髪色とは裏腹に、普段の根附は言葉少なで、自然体の青年だ。

 ただ、ひとたびデッキに乗れば、様相は一変する。7歳でスケボーを始めた時に父から教わったという、かかとで板を回すヒール系の技をメインに、高難度の技を繰り出す。昨年12月の世界選手権では、右足首を痛めた状態ながら痛み止め薬を飲んで強行出場し、決勝では「ヒールフリップ・バックサイドノーズブラントスライド」を決めて2位。3月の五輪予選第6戦は初優勝を果たし、「自信がついた。いつも通りにやれば表彰台には乗れる」と手応えをつかんでいる。

 かつてはスケーターらしいこだわりが、あだとなった。第3戦までは20位台。45秒間で自由に滑るランで「ヒールに頼り切って、点が出なかった」。得意技に執着していたが、成績上位のトップ選手はさまざまな技を組み合わせていた。「決勝の映像とか見て、上位の選手はどうしているのかと(研究した)」。第4戦以降は技の種類を増やすと、いきなり1桁順位にジャンプアップ。本人も「やっていて面白い」という一発技を競うベストトリックでは、得意技を存分に発揮し、高い評価を受けるようになった。

 小学生時代からの練習仲間だった青木勇貴斗は、一足先に東京五輪に出場。親友が奮闘する姿、堀米らメダリストが脚光を浴びる様子を近くで見てきた。「(五輪でメダルを獲れば)いろんなことができると思う。米国に行って、プロになるのが夢。(オリジナルの)デッキも出したいし、家にパークも造ってみたい」と根附。スケーターとして理想の未来へ、パリ五輪はその登竜門となる。 (阿部 令)

 ▽スケートボード・ストリートのパリ五輪予選 計8戦で争い、前半6戦は今年3月までに終了。ランキング上位44人(各国・地域最大6人)が後半2戦に進出した。第7戦は上海、最終戦は6月20~23日にハンガリー・ブダペストで開催され、前半戦から持ち越したポイントと後半2戦の獲得ポイントの合計の上位20人(各国・地域最大3人)が出場権を得る。日本男子は1位の白井、5位の根附、6位の小野寺が上位3人。東京五輪金メダルの堀米は7位で現状では出場圏外。ただし後半2戦は優勝で26万ポイントなどと配点が大きく上がり、“一発逆転”が可能となっている。

 ◇根附 海龍(ねつけ・かいり)2003年(平15)8月19日生まれ、静岡県島田市出身の20歳。7歳でスケートボードを開始。19年にアマチュア最高峰の呼び声高いタンパアマを制し、頭角を現す。その後はプロツアーでも活躍し、パリ五輪予選では第5戦を兼ねた昨年12月の世界選手権で2位、今年3月の第6戦で優勝。得意技はヒール系トリック。スタンスは右足前のグーフィー。1メートル70、55キロ。

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