2敗守った“鉄人”玉鷲 37歳10か月の最年長V見えた!19年初場所以来2度目へ

[ 2022年9月24日 04:00 ]

大相撲秋場所13日目 ( 2022年9月23日    両国国技館 )

<秋場所13日目>錦富士(下)を突き落としで破る玉鷲(撮影・郡司 修)
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 平幕ばかりが名を連ねる混戦の優勝争いは関取最年長37歳の玉鷲が優勢のまま大詰めを迎えた。錦富士を突き落とし2敗で単独トップをキープ。14日目に翔猿に勝ち、3敗の高安、北勝富士がそろって敗れれば、19年初場所以来2度目の優勝が決まる。

 連敗を回避したベテランがホッと息をついた。「立ち合いは相手が本当に速かった。落ち着いていたのが良かった」。幕内2場所目の錦富士に鋭く踏み込まれたものの、素早く右突き落としで勢いをそらした。すかさず左で相手の首を押さえ、最後はのしかかるように勝負を決めた。

 12日目は若元春に立ち合いで左前みつをつかまれ慌てて墓穴を掘った。「悪い癖が出たけど、きれいサッパリ忘れて自分の相撲を取ろうと思った」。同じてつは踏まなかった。八角理事長(元横綱・北勝海)は「踏み込んでいたし落ち着いている。経験じゃないかな」と年輪の違いを見せたことを称えた。

 37歳10カ月で賜杯を抱けば、12年夏場所を37歳8カ月で制した旭天鵬を抜いて、年6場所となった1958年以降の最高齢優勝となる。今場所で通算連続出場記録を歴代単独3位とした“鉄人”にふさわしい記録だ。

 “第2の故郷”へ吉報を届けたい。次の九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)で所属の片男波部屋は2010年から福岡県朝倉市に宿舎を置く。17年夏の豪雨被災後の交流をきっかけに地域住民との親交がさらに深まり、19年2月に玉鷲は同市の親善大使に就任した。宿舎提供に協力する「三奈木地区コミュニティ協議会」の武田雄一会長(77)は「コロナでいろんな行事が中止になる中で明るい話題。ぜひ優勝して九州へ来てほしい」と期待する。遠く九州からの声援も受け、玉鷲が大詰めの土俵に臨む。

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2022年9月24日のニュース