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和田 男子5000メートル視覚障害6位入賞 日本勢の先陣

[ 2016年9月9日 05:30 ]

<リオパラリンピック>男子5000メートルT11決勝、6位でゴールした和田

男子5000メートル(視覚障害T11)決勝

(9月7日)
 リオデジャネイロ・パラリンピックの開会式が7日、マラカナン競技場で行われ、12日間の障がい者スポーツの祭典が幕を開けた。南米初開催の今大会には159カ国・地域の選手と難民選手チームの2人を合わせ大会史上最大規模の約4300選手が参加。競技は8日にスタートし、陸上男子5000メートル(視覚障害T11)で、ロンドン大会銅メダルの和田伸也(39=賀茂川パートナーズ)は16分2秒97の6位に終わり、日本選手団メダル第1号はならなかった。

 世界の高速化についていけなかった。序盤から飛びだしたのはケニア勢。和田は自分のペースを守り、9選手中6、7番手をキープした。ロンドン大会と同じように後半でペースダウンする上位陣を拾っていく作戦だった。だが、4年前と違って、脱落する選手がいない。見せ場のないまま6位でゴール。タイムは前回より約4秒遅れただけだったが、メダル圏には約40秒届かなかった。「やってきたことは出し切った順位。予想以上に先頭が速くて落ちてこなかった」。健常者の日本の長距離陣同様に、ケニア勢のスピードに対抗できなかった。

 中学、高校時代はラグビー部だった。高2の時、進行性の目の難病「網膜色素変性症」と診断され、20歳で視力を失った。10年以上スポーツから遠ざかっていたが、28歳の時、運動不足解消のために知人に紹介された京都の視覚障がい者のランニングクラブ「賀茂川パートナーズ」の練習会に参加した。走る喜びに目覚め、本格的に競技を始めると33歳となった10年から国際大会に出場するようになった。初出場のロンドン・パラでは5000メートルで銅メダルを獲得。支援者は増え、現在は100人を超える伴走仲間がいる。

 そんな仲間へ「恩返しがしたい」と2度目の大舞台に立ったが、5000メートルでの2大会連続のメダルはならなかった。伴走を務めた中田嵩志さん(36)は「中盤でも諦めなかったし、力は出せた。負けたけれど、横で頑張っている姿を見ることができた」と称えた。今後は1500メートル(11日予選、13日決勝)とマラソン(18日)に出場する。恩返しのチャンスはまだ残っている。

 ◆和田 伸也(わだ・しんや)1977年(昭52)7月9日、大阪府生まれ。生野高―関大―同大学院卒。大阪府視覚障害者福祉協会勤務、点字図書館の点字制作担当。20歳で視力を失い、28歳で陸上を始める。12年ロンドン・パラリンピック5000メートル銅、マラソン5位。14年アジア・パラゲーム800メートル、1500メートル、5000メートル金メダル。1メートル76、72キロ。

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2016年9月9日のニュース