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吉田“鉄の女”になる!「過度の貧血」体質改善へ

[ 2012年5月30日 06:00 ]

乳製品を使った食事を手におどける浜口(左)と吉田沙保里

 ロンドンのキーワードは“鉄の女”だ。女子レスリングの国別対抗戦W杯で4年4カ月ぶりの敗戦を喫した55キロ級の吉田沙保里(29=ALSOK)ら代表4選手が29日、都内で行われた食品メーカー「明治」のイベントに参加。吉田は28日に受けた血液検査で過度の貧血を指摘されたことを明らかにし、ロンドン五輪のV3へ体質改善に乗り出すことを明らかにした。

 獅子身中の虫は、なんと鉄だった。この日、都内で乳製品を使った料理レシピのイベントに参加した吉田は吹っ切れた表情で「きのう五輪の準備として採血をしたところ、一般女性より貧血だと指摘されました」と告白。4年4カ月ぶりの敗戦の一因が判明したことで「ドクターには“これじゃ力が出せないぞ”って怒られました」と笑みも浮かべる余裕を見せた。

 04年アテネ、08年北京前にも貧血を指摘されてきたという。本人も理解した上で「最近はだいぶ良くなっていた」と改善に自信もあった。だが、判明したのは赤血球のヘモグロビン不足。身体の隅々まで酸素を運ぶ鉄細胞が低減すれば、持久力や回復力が落ちるのは当然で、自慢のタックルの破壊力が低下するのは自明の理だった。すでに医師からは鉄分を処方され、体質改善に乗り出す考えも明らかにした。

 「たくさんの人からメッセージももらって、応援してくださる方のためにも、ロンドンで最高の笑顔を見せたい」。敗戦を喫したワレリア・ジョロボア(ロシア)はまだ代表となるか未定だが「もしロンドンで戦えるなら、借りを返して優勝したい」とリベンジも約束した。マーガレット・サッチャー元首相に“鉄の女”というニックネームを与えた英国で、日本女子初の五輪3連覇。吉田が偉業を“鉄板”にするための戦いを、再始動した。

 ▼福田医院(横浜市)・福田伴男院長 貧血は食生活の影響が大きいと考えられるが、アスリートの場合は食事も管理されているはず。鉄分の吸収が悪い体質ということも考えられる。ヘモグロビンが欠如すれば回復力や耐久力が落ち、競技への影響は大きくなるだろう。鉄剤を葉酸やビタミンCとともに服用することで改善するが、場合によっては血液中に鉄剤を直接注射することも有効だ。

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2012年5月30日のニュース