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サオリン21得点!67分で台湾一蹴、ニッポン連勝!!

[ 2012年5月21日 06:00 ]

<日本・台湾>アタックを決める木村(右)

バレーボール女子ロンドン五輪世界最終予選兼アジア予選第2日 日本3―0台湾

(5月20日 東京体育館)
 エースが大爆発だ。世界ランキング3位の日本は、同28位の台湾を3―0で圧倒して連勝。木村沙織(25=東レ)が両チーム最多の21得点と活躍し、台湾、タイ(22日)、韓国(23日)と続く“アジア3番勝負”の初戦に圧勝した。3大会連続の五輪切符獲得へ、頼もしいエースが真鍋ジャパンをけん引する。

 格下の息の根を止めた。第3セットに迎えたマッチポイントで、木村が高く舞い上がる。高い打点から強烈なスパイクを台湾コートに突き刺し、わずか67分で3―0ストレート勝ちだ。前日(19日)のペルー戦では11得点だったが、この日は両チーム最多の21得点と大爆発。「しっかり勝てて良かった。きのうよりも調子が上がってきた」と笑うことなく冷静に振り返った。

 エースの武器はスパイクだけじゃない。サービスエースも最多の3本マークし、攻撃のリズムをつくり出した。「きのうは相手の正面にいくのが多かったけど、きょうは狙った選手の横や前後に打った」。代表の練習ではネットの上にヒモを張り、ボール2個に満たない隙間を通す練習を繰り返している。トレーニングを積み重ねたピンポイントのサーブは、予選を勝ち抜き五輪を戦う大きな武器になる。

 04年アテネ、08年北京五輪を経て、今や日本の大エースだ。真鍋監督に「勝つも負けるもおまえ次第」と言われたことで、チームをけん引する意識に目覚めた。代表には年下の選手も増えた。自分が若かった時のことを思い出し、「なるべくやりやすい環境をつくってあげたい」と後輩にも積極的に声をかける。技術だけではなく、精神的にも成長。初代表の平井ら12人全員がコートに立ったこの日も、木村の存在感は別格だった。

 22日に対戦する世界ランク12位のタイはこの日、同6位・セルビアを3―0で粉砕。油断できない相手を前に、指揮官が「ベストを尽くしたい」と言えば、「タイは凄く強いチーム。もっと苦しい試合になる。もっと足を動かして、勢いに乗って頑張りたい」と木村。相手が手ごわくなればなるほど、エースのギアは上がっていく。

 ▽バレーボール女子ロンドン五輪への道 8チームの総当たり戦で、(1)上位3チーム(2)残り5チームの中のアジア最上位1チームの計4チームに出場権が与えられる。五輪出場は12チームで、既に開催国の英国、イタリア、米国、中国(以上W杯上位3チーム)、ブラジル、ドミニカ共和国、トルコ、アルジェリア(以上各大陸予選突破国)の8チームが出場権を獲得している。今大会の順位決定は変則的な勝ち点制が導入され、3―0、3―1の勝利は勝ち点3を得るが、フルセットの場合のみ勝ちに勝ち点2、負けに同1が与えられる。勝ち点で並んだ場合は勝利数が多い方が上位。続いてセット率、得点率の順で優劣をつける。

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