森且行 2年2カ月ぶり復帰戦1着!オートレーサー第2章幕開け「感覚は体が覚えていてくれた」

[ 2023年4月7日 04:50 ]

独走し1着でゴールした森且行(撮影・久冨木修)
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 元SMAPのメンバーで、21年1月の落車事故による負傷で戦列を離れていた人気オートレーサーの森且行(49=川口)が6日、川口オートレースの初日9Rで復帰し、1着でゴールした。ハンデ30メートルの大外8号車という厳しいポジションを克服して、ぶっちぎりの独走。一度は立ったオートレース界の頂点を目指して、確かな一歩を踏み出した。

 802日ぶり(2年2カ月と13日)のレースでもやはりスターだった。復帰戦を1着で飾った森は「今日走ってくれた7人の選手に感謝。そして今まで支えてくれた周りの方々、そして応援してくれたファンの皆さまに感謝を伝えたい」とすがすがしい表情を浮かべた。

 「(スタートラインに立って)吹っ切れた。いい緊張感だったので、ビビることなく自分のレースをしようと思った」。試走は1番時計の3秒32をマークした。2車並びの30線8枠から会心のスタート。外を回って6番手まで順位を上げると、ホームストレッチで「あっ、ここ空いちゃってるよ」。外から内へ進路を変えて5車をごぼう抜き。2周回1コーナーで早々と先頭に立つと、あとは独り旅。後続を70メートル以上引き離し、21年1月5日の川口11R以来となる白星を飾った。

 落車で骨盤骨折、腰椎破裂骨折。生命に関わる重傷から計5回の手術、リハビリ、走行練習を経てカムバックした。両足のまひなど状態は万全ではなく「かっこ悪い姿を見せてもいいから」と話していたが、終わってみれば圧勝。「2年3カ月休んでいてもレースの感覚は体が覚えていてくれた」とさすがスターのなせる業。この日、口に出すことはなかったが、ヘルメットには元SMAPメンバーとの絆を表す星マークがキラリ光った。

 幼い頃からの夢だった日本選手権を制し、オートレース界で日本一に輝いたのは2年半前。目指すはもちろん、再びあの歓喜を味わうことだ。「一番大きな目標はもう一度日本一になりたい。でも、そんな甘くないと思うので、とにかくSGに出られるくらいまでいきたい。S級になれば全部のSGに出られるので、そこを目標に、時間がかかっても一生懸命頑張っていきたい」。森のオートレーサー第2章が、始まった。

 ◇森 且行(もり・かつゆき)1974年(昭49)2月19日生まれ、東京都出身の49歳。88年、アイドルグループ「SMAP」結成。91年にCDデビュー。96年にオートレーサーへ転身。川口支部所属。25期。97年に川口オートレース場でのデビュー戦を1着で飾る。20年、日本選手権でSG初優勝。通算683勝、32V(SG1、G12、G23)。通算獲得賞金6億9617万2555円(5日現在)。1メートル77、59キロ。血液型B。

 《事故時に接触の新井「正夢」》事故時に森と接触したオートレーサーの新井恵匠(38=伊勢崎)も笑顔。5日まで静岡県・浜松オートのG2ウィナーズカップを走って、駆けつけた。「ホントうれしい。昨日、夢で見ました。復帰した夢です。正夢ですね」と話していたが、レースは圧巻の内容。「凄いのひと言。SGを獲った時もそうだけど、努力し続ければ成し遂げられるということを見せてもらった」と感極まった。

 《ファン大勢来場で売り上げ大幅増》森の勇姿を一目見ようと、川口オートには前節最終日の2・13倍にあたる累計3852人のファンが詰めかけた。初日9Rの売り上げは12レース中最多の2615万1100円。1・2倍で1番人気だった森を含む9Rの単勝車券は直前の8R(906票)の17倍以上となる1万5532票の売り上げだった。SMAP時代から応援する宇都宮市の40代女性看護師は「(21年1月6日に)川口で最後にレースを見てから2年2カ月も見られなくなるとは。立派に走ってくれて良かったです。森くんのオートレースに対する情熱を感じました」と話した。

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