【シンザン記念】武豊37年連続重賞制覇で通算350勝 ディープ最終世代のライトクオンタムでレコード

[ 2023年1月9日 05:25 ]

<中京11R・シンザン記念>スタートで出遅れるも直線で外から差し切り勝利するライトクオンタム(中央)(撮影・亀井 直樹)
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 英雄ディープとの縁はやはりこの男が似合う!「第57回シンザン記念」が8日、中京競馬場で行われ、国内に6頭しかいないディープインパクト産駒の最終世代ライトクオンタムが大外を豪快に突き抜け、デビュー2連勝で重賞初制覇。牝馬クラシック戦線の主役へ名乗りを上げた。鞍上の武豊(53)はシンザン記念8勝目で、同時にJRA重賞350勝目の区切りに到達。弟・武幸四郎師(44)とのコンビでは2度目の重賞制覇となった。

 かつての父の主戦に導かれ、ディープインパクト産駒ライトクオンタムが外から豪快に差し切った。武豊は23年最初の重賞騎乗で自身の記録を更新する37年連続JRA重賞V。「SDGs(持続可能な目標)でいいんじゃないですか。この調子でいっぱい勝ちたい」と笑みを浮かべた。

 ド派手な直線のパフォーマンス以外は試練の連続だった。「ゲートの中でも落ち着きがなくて飛び上がるようなスタートに。それで切り替えた」と後方待機策を選択。道中も「外に逃げながら走っていて、あまりいい雰囲気ではなかった」と振り返る。それでも直線で差し切り、レースレコードの1分33秒7でV。「ゴーサインに反応して最後まで伸びてくれた。能力はある」。鞍上にとってJRA重賞制覇は昨年のダービー以来、メモリアルな350勝目。2位・横山典の184勝を突き放す大記録だ。

 19年に天国に旅立ったディープインパクトの産駒は現3歳が最終世代。国内には6頭しかいない貴重な産駒との初タッグで勝利に導き、自身の同産駒22勝目の重賞Vを飾った。「ラストクロップに乗る機会も難しいと思っていたからね。乗った感じはディープよりサンデー産駒を思い出した」。鞍上が産駒別で最多となる重賞79勝を挙げ、ディープの父でもあるサンデーサイレンスの名前を挙げて懐かしんだ。

 牝馬でシンザン記念を勝った12年ジェンティルドンナ、18年アーモンドアイは牝馬3冠達成。武豊は「ディープ産駒だし、まだ2回目でこのパフォーマンス。今後が楽しみです」。出世レースからラストクロップのディープ娘が新たな名牝伝説をつくり出す。

 ◆ライトクオンタム 父ディープインパクト 母イルミナント(母の父クオリティロード)20年2月4日生まれ 牝3歳 栗東・武幸厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績2戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4730万8000円。馬名は光量子。宇宙で一番速い光の粒子。

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2023年1月9日のニュース