【住之江・オールスター】仁志 涙の兄弟SG制覇!49年ぶり史上2組目、兄・元志と同じ水面で決めた

[ 2020年6月1日 05:30 ]

<住之江・ボートレースオールスター>優勝した篠崎仁志(左)は兄・元志とがっちり握手する(撮影・平嶋 理子)
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 住之江のSG「第47回オールスター」は5月31日、12Rで優勝戦が行われた。1号艇の篠崎仁志(32=福岡)がイン速攻で制し、12年グランプリシリーズの兄・元志と同じ水面でSG初制覇を達成。松尾泰宏、幸長以来49年ぶり史上2組目の兄弟SGウイナーが誕生した。優勝賞金3900万円を獲得し、20年賞金ランキングは2位に浮上。3年ぶり3度目のグランプリ参戦に大きく前進した。

 兄・元志のSG初制覇から7年5カ月。ついにその背中に片手が届いた。篠崎仁は優勝戦1号艇のプレッシャーをはねのけ、インからコンマ12の踏み込み。強力パワーも味方に1Mを先取ると、外5艇の攻めをシャットアウトした。初めてのSGポールポジション。まさに完勝と言える内容だが、ヘルメットを脱ぐと目には涙が浮かんでいた。

 「緊張から解放されて…。リラックスして過ごせたけど、しっかり緊張も来た。でも(元志や西山が)和ませてくれました。兄が大きなケガをしたり、兄弟でいろいろあったが、僕がSGの準優でフライングを切ったり(元志に)迷惑を掛けてきたので今日は決めてやろうと思っていた」

 2歳上の元志がデビューして1年半後の07年11月、選手生活をスタート。兄と同じ4期目にA級昇格を果たすと、兄より7カ月早いデビュー5年10カ月でG1初Vを飾った。同等のスピードで成長してきた兄弟。だが、SGでは違った。初出走は4年差、初優出は6年差と徐々に兄に水をあけられる。優出に至っては元志16回に対し、仁志は今節で5回目。オールスターも元志がファン投票22位で出場した一方、仁志は選考委員会推薦による参戦だ。

 しかし、開幕すると立場は逆転した。惜敗が続く兄を尻目に、仁志はまくり差しで白星発進。得点率争いを制し、SGでは17年オーシャンC以来2度目の予選1位通過を決めた。3年前は準優6着で涙をのんだが今回は逃げてファイナル1枠を獲得。千載一遇のチャンスをものにし、SG2冠の元志に近づいた。

 「まだ追いついてはいないが注目してもらっている。それに応えたい。次はファンの皆さんの前で歓声を浴びながら優勝したい」

 半世紀ぶりの兄弟SGウイナー誕生という快挙は、まさかの無観客開催。次なる願いは自らの、そして篠崎兄弟の勇姿をファンに生で見せることだ。最強ブラザーズの伝説はここから第2章がスタートする。

 ▼篠崎元志(仁志の兄) 優勝のチャンスを逃した姿、フライングを切って苦しむ姿を見てきたから本当にうれしい。自分にも火がつきました。

 ◆篠崎 仁志(しのざき・ひとし)1987年(昭62)12月3日生まれ、福岡県出身の32歳。101期生として07年11月に福岡でデビュー。08年4月大村で水神祭を飾り、10年9月福岡新鋭リーグ戦で初優勝。G1は13年桐生新鋭王座決定戦など通算3勝。SGは通算5回目の優出で初載冠となった。主な同期は片岡雅裕、新田泰章、守屋美穂ら。1メートル66。血液型A。

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