【住之江・グランプリ】石野 令和&自身初金メット!地元で2億超え念願賞金王

[ 2019年12月23日 05:30 ]

<住之江>グランプリで優勝し笑顔の石野(撮影・奥 調)
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 ボートレース住之江のナイターSG「第34回グランプリ」は22日、12Rで優勝戦が行われた。1号艇の石野貴之(37=大阪)がインから押し切って1着。11月の桐生チャレンジカップに続く8度目のSG制覇と共に、悲願のグランプリ初優勝を飾った。黄金のヘルメットと優勝賞金1億円を授与され、今年の獲得賞金は2億円の大台を突破。ランキング1位が確定した。同時開催のSG「グランプリシリーズ」は11Rで優勝戦が行われ、3号艇の馬場貴也(35=滋賀)がまくり差しで快勝。2度目のSG制覇を達成した。

 自らつかんだポールポジションを味方に、石野は絶対的な自信と強い気持ちで臨んだ。「足は完璧だった。ただ普段過ぎて負けるパターンかなと思うくらいだった」。あえて緊張するよう自分を追い込むほど、リラックスして過ごした。1Mのわずかなミスを逃さなかった桐生の鋭い差しをバックで振り切り、2Mで完全に突き放した。割れんばかりの石野コール。「今までで一番凄い歓声だった」。ど派手なガッツポーズで歓声に応えた。

 エンジン出しにも自信があった。トライアル2nd組は何を引いても信頼の好素性機だからだ。「最後は仕上がると思う」。調整すれば出る。走る前からそう確信していた。

 昨年は6、4着で石野の頂上決戦は1stであっけなく終わり、初出場から続いていたファイナル進出は5で途切れた。エンジンも勝ち上がり方式も優遇される2nd組が絶対的に有利ということを思い知らされた。賞金ランク7位でチャレンジカップを迎えた石野は“優勝”へと突き進み、ベスト6入りを決めた。それは今大会Vに向けた強烈なアピールでもあった。

 優勝劇の決定打はトライアル2nd3回戦。激しいコース争いを尻目に石野はカドの5コースを選び、強烈な攻めをサク裂させた。「僕の内に毒島君がいて1号艇を獲るにはまくるしかないと思って腹をくくれた」。毒島からポールポジションを奪い、人目をはばからず1日早いガッツポーズを何度も見せた。それはイン戦に対する絶対的な自信の表れでもあった。そして記者に囲まれると、まるで優勝したかのような晴れやかな笑顔を振りまいた。

 SG連覇で締めくくった19年。松井繁以来、大阪支部が10年ぶりにグランプリのタイトルを奪還した。それも舞台は地元の住之江だ。「周囲の期待を感じながら走ってきて、やっと応えられた。勝てる大会を逃したこともあったし長かった。これからはもっと精進して強くなりたい。グランプリ最多の4回目の優勝を目指していきたい」。浪速のエースの伝説は、この令和元年から始まる。

 ◆石野 貴之(いしの・たかゆき)1982年(昭57)6月3日生まれ、大阪府東大阪市出身の37歳。02年5月に大阪支部所属の90期生として住之江でデビュー。03年10月の宮島新鋭リーグで初優勝。SGは10年まるがめオーシャンカップで初優出、初優勝、26優出8V。通算成績は1227勝、57V。主な同期は吉田拡郎、赤坂俊輔、渡辺雄一郎ら。1メートル65。血液型O。

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