【フェブラリーS】“冷静”ユラノト初G1制し新たな歴史刻む

[ 2019年2月13日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=12日】今年最初のG1はJRA女性騎手初のG1騎乗となる藤田菜七子の参戦で例年以上にヒートアップ。その菜七子を追い掛け東京から小倉へ出張していた小野は、JR草津で“途中下車”して栗東入り。関西馬の情報収集に汗を流した。

 初の栗東取材で右往左往していると、調教スタンド2階で松田師を囲む報道陣を見つけ輪に加わった。師が送り出すユラノトは根岸Sで2着。菜七子が騎乗するコパノキッキング(根岸Sはマーフィー)の末脚に屈したが、一度は先頭に立った動きが目を引いた。松田師は「先週5頭使って全部負けた厩舎。取り上げるところは一つもないんじゃない?」と自虐気味だが、愛馬の出来については「調教は相当動いているし、カイバも食べている。叩いた効果があるね。今は何も心配がない」と力強く言い切った。

 松田師は自身が管理したダート重賞の勝ち馬を例に挙げながら「クロフネ、ブロードアピール、ベルシャザールはみんな元気が良かった。ダート馬はこうなんだなと。だけど、この子はそれがない。昔からおとなしい」とユラノトの気性を語り出す。過去の実力馬と異なるが、それでも崩れない安定走行。「自分のスタイル、パフォーマンスをキープしている」と頼もしそうに話した。

 G1初挑戦で頂点に立つようなら、68歳のベテラントレーナーのダート馬理論に新たな1ページを刻み込むかもしれないユラノト。小野は“マツクニ節”にうなずきながら、印は外せない一頭になると思い馬名を赤ペンで囲んだ。

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2019年2月13日のニュース