JRA通算400勝達成 津村の次なる目標は

[ 2018年7月6日 05:30 ]

JRA通算400勝を達成した津村
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 【競馬人生劇場・平松さとし】6月30日の福島競馬で、津村明秀騎手がJRA通算400勝を達成した。

 1986年、千葉県の船橋競馬場の近くで生まれた。父親が競馬好きということで幼少時から中山競馬場に一緒に行くうちに、騎手に憧れるようになった。

 「小学5年から乗馬を始めました。それまで野球やサッカーもやったけど2年くらいで辞めていました。でも、乗馬だけは中学を卒業するまで毎週乗り続けました」

 競馬学校に入学後の成績は優秀。模擬レースは2戦2勝で、成績が最も優秀な生徒に贈られるアイルランド大使特別賞も受賞した。

 2004年、美浦・鈴木伸尋厩舎からデビュー。06年にはタマモサポートに騎乗しラジオNIKKEI賞を優勝。自身初の重賞制覇を飾ったのを皮切りに、昨年、ウインガニオンで制した中京記念まで、現在に至るまで重賞は11勝を記録している。

 その中でも思い出深い勝利がある。09年の京都金杯だ。例年1月5日に行われる金杯だが、この年は中山金杯だけ4日に開催された。しかし、京都金杯は5日。同レースでタマモサポートの騎乗依頼を受けた津村は京都へ飛び、これを制した。

 「1月5日は僕の誕生日なんです」

 もし、京都金杯も4日に行われていたら誕生日Vはなかったし、中山金杯が5日だったら京都へ行けなかったかもしれない。競馬の神様のちょっとしたいたずらが、自らの誕生日を祝う勝利を招いたのだ。

 思えば、勝ちたいレースを問われると多くの騎手がG1を挙げる中、デビュー時から「勝ちたいレースは金杯」と言っていた。その目標は達した彼の、次なる目標はG1制覇か!?と思いきや、次のように答える。

 「400勝達成を師匠の鈴木伸尋先生の馬でできて良かったです。次は師匠の馬で重賞を勝ちたいです!!」。いずれ彼の願いがかなうよう応援したい。(文中敬称略)

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2018年7月6日のニュース