【高松宮記念】ニードル新快速王!ゴール目前で鼻差差し

[ 2018年3月26日 05:30 ]

川田を背にレッツゴードンキを差し、高松宮記念を制したファインニードル(手前)
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 尾張電撃決戦で新スプリント王が誕生した。中京競馬場で25日に行われたG1「第48回高松宮記念」は2番人気のファインニードルがゴール寸前で差し切りV。2度目のG1挑戦で初勝利を飾った。アドマイヤムーン産駒は昨年のセイウンコウセイから2年連続の勝利。鞍上の川田はJRA・G1・11勝目。管理する高橋忠師は開業8年目でうれしいG1初Vとなった。

 春風に乗って電光石火の“新星”が世代交代を告げた。ファインニードルは先行勢を行かせその後ろ。外をスムーズに運ぶ。前後半の3Fが33秒3→35秒2のハイペース。川田は「スタートはスムーズだったし、道中もこの馬のリズムで走れていました。前の馬が速かったので、自然とあの位置に」と振り返る。6番手の外で4コーナーを回った。

 残り1F辺りで内からレッツゴードンキが抜け出し決まったかに見えた、その瞬間だった。「青・袖水色1本輪」の新勝負服をまとった川田の鼓舞に応え、ニードルがゴール前で鼻差だけ差していた。スプリント路線を闊歩(かっぽ)してきた強豪たちを退け、G1初Vを決めた。

 「ゴドルフィン名義に替わって最初のG1でしたので、一発目で勝てて良かったです。前走もいい内容で勝ってくれたし、成長を伴ってのG1制覇。強気に勝ちにいく競馬をして、それに応えてくれました」

 着実に階段を上ってきた。3走前のセントウルSで重賞初勝利。その勢いで昨秋はスプリンターズSに挑戦した。高橋忠師は「元々使う予定がなかったけど、どれくらい通用するか力試しのつもりで使った」。12着に敗れてしまったが、そこからさらに成長。前哨戦のシルクロードSはプラス18キロで快勝。やや余裕残しであっても、そこにパワーアップが見て取れた。

 「成長力が凄い。放牧先から帰ってくるたびに良くなっています。昨年の秋以降、さらに力を付けてますね。名義が替わってのG1勝ち?そこは特に意識はなかったけど、オーナーが日本の競馬でG1を勝っていないし、うまくいって良かったです」。師は自身のG1初勝利そっちのけで愛馬を称えた。

 出合った時から感じるものがあったと言う。「初めて見た時、歩きのいい馬だなと思った。何とか手掛けさせてもらえないかと」と印象を語った。素質の良さに体の成長がミックスされ、ついにG1へ到達した。

 トレーナーが「今年は真価を問われる一年」と力を込めるように、今後は海外遠征を含めてさまざまな選択肢が用意されている。「今の時点では白紙ですけど、香港やイギリスも可能性はあります」と話した。香港のG1チェアマンズスプリントプライズ(4月29日、シャティン)には予備登録を済ませている。英G1ジュライカップ(7月14日、ニューマーケット)参戦にも含みを持たせた。本格化を遂げた5歳馬が、短距離界統一へ向けて確かな一歩を踏み出した。

 ◆ファインニードル 父アドマイヤムーン 母ニードルクラフト(母の父マークオブエスティーム)牡5歳 栗東・高橋忠厩舎所属 馬主・ゴドルフィン 生産者・北海道日高町ダーレー・ジャパン・ファーム 戦績24戦8勝 総獲得賞金3億485万2000円。

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