【夏競馬トリビア〜ン】函館2歳Sの“怪しい伝説”を大検証

[ 2017年7月18日 05:30 ]

97年の勝ち馬にして、レース史上の出世頭アグネスワールドは4月生まれの函館デビュー馬。そして持ち時計はNo・2で、芝1200メートルで勝ち上がった馬だった…伝説侮りがたし!?
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 夏の函館シリーズ最終週を飾るのは、JRA2歳重賞第1弾「第49回函館2歳S」。ほとんどの馬が1戦しか走ってない推理不能!?な難解戦には、“怪しい伝説”が存在している。最初の2歳重賞だから早生まれが強い?函館で走ったことがある馬しか勝てない?間隔が空いた馬は勝てない?過去10年を中心に真偽を追究していけば、優勝馬は浮かび上がってくるかも…。

 JRAで最初の2歳重賞は、ほとんどの馬が1戦しか走ってない特殊なレース。推理する要素があまりに少ない!?から、出自不明の言い伝えが多数ある。

 (1)早生まれが強い!? 生まれて2年余で走る函館2歳Sは人間なら「幼稚園の運動会」。誕生してからの期間が短い分、1カ月でも早く生まれた方が有利…と常にささやかれてきた。実際は?確かに5月以降に生まれた優勝馬は08年フィフスペトルだけ。今年、6月20日の“超遅生まれ”のキタノユウキが勝ったら歴史的快挙?

 (2)他場デビュー馬は勝てない!? 結論を先に言おう。これは真実。函館2歳Sには毎年他場でデビューした馬が少しだけいるが勝てない。道営馬の07年ハートオブクィーン(ラベンダー賞1着で函館は経験)を除けば、全て函館デビュー組。函館開催自体がなかった09年を除くと、他場デビュー馬(公営馬除く)のVは函館と札幌の開催順が逆だった88年サザンビーナス(札幌デビュー)までさかのぼらないとない。福島新馬Vから挑むジェッシージェニー、パッセは普通買えない?

 (3)持ち時計No・1は買えない!? 推理材料が少ないため、純粋に時計上位の馬が人気になるケースは多かった。札幌施行の09年を除けば、持ち時計No・1の優勝は13年クリスマスだけ。なるほど、持ち時計は参考程度にすべし。

 (4)間隔が詰まった馬が強い!? これ、函館開催が8週間だった11年以前はよく言ったもの。開幕週で勝って、7週後の函館2歳Sまで間隔が空くと「レース勘がぼける」と。ただ現在の函館は6週間。間隔は気にせずOKだ。

 (5)芝1200メートルを勝った馬が強い!? 大鉄則。函館芝1000メートルで新馬Vの12年ストークアンドレイを除けば、全て「函館芝1200メートル」でV経験。該当馬は今年9頭もいるので、絞る材料にならないけど…。函館2歳Sがダートで行われた94年(優勝ダンツダンサー)を除けば、ダート新馬Vの優勝はこれまた88年サザンビーナス(札幌ダート1000メートル)が最後。ダート新馬Vのモルトアレグロが勝てば、29年ぶりの偉業に。

 いろいろ検証してきたけど…。道営馬ハートオブクィーンを除けば、優勝馬は1〜4番人気。荒れる函館記念とは真逆。人気馬を黙って買えば、函館の有終の美は飾れるんです〜。

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2017年7月18日のニュース