【京成杯】ダービーへ“吉兆”コマノインパルス本命V!

[ 2017年1月16日 05:30 ]

田辺騎手を背にクビ差で京成杯を制したコマノインパルス(8)
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 クラシックの登竜門「第57回京成杯」が15日、中山競馬場で行われた。後方を進んだ1番人気コマノインパルスが直線で豪快に外から伸び、通算3戦2勝で重賞初制覇。3戦目の京成杯Vは史上8頭目の最少キャリアタイ記録。1番人気の勝利は、後にダービーを制した10年エイシンフラッシュ以来7年ぶり。人気に堂々と応えたインパルスは約3カ月後の同舞台で行われる皐月賞(4月16日、中山)の有力候補に躍り出た。

 何としても、1着を獲りたい。1番人気コマノインパルスの田辺は愛馬を信じて押し切った。後方で脚を温存。4コーナー手前で自ら動いてスパート。直線半ばで前団をのみ込むと、返す刀で外から迫ったガンサリュートを首差しのいだ。クラシック出走権を確定付ける貴重な大きな白星だ。

 新馬から手綱を取る田辺は誇らしげに切りだした。

 「前走(葉牡丹賞2着)がフロックじゃなかった。結果を出せて良かった」

 前走はレイデオロに1馬身半差の惜敗。そのレイデオロが完勝したホープフルSも登録したが、潔く自重して京成杯に備えた。ライバルとの再戦を先送りした以上、敗戦の2文字は許されない。菊川師は「やっぱり2着じゃ駄目。ダービーや菊花賞まで距離の融通はあると思うので…。今日は(賞金加算の面で)どうしても勝ちたかった。今回はきっちり調教したので、馬もきつかったと思う」と本音を吐露した。ハードに調教を課した結果、多少テンションは上がっていた。

 鞍上は「ここ2週強めにやったのでイライラしたのは伝わっていた。でも、最小限で収まってくれた」とメンタル面を分析。さらに「僕の中ではペースが遅いなと思って、早めに前の馬を射程圏に入れた。外(ガンサリュート)から来たのは分かっていたけど、しのげる手応えはあった」と胸を張って振り返った。

 これで収得賞金は2300万円にアップ。同舞台の皐月賞どころか、3冠最後の菊花賞の出走権まで手中にした。鞍上は「今回は精神的にも一番苦しい時期。ここを乗り越え、どっしり構えられるようになれば、もっと強くなる」とクラシック本番を見据えた。

 04年凱旋門賞馬の父バゴから出現した東の新星。菊花賞馬ビッグウィークを輩出した持久力は、ディープインパクト産駒が席巻する国内では新鮮さすらある。菊川師は「反応も良いし、コントロールしやすいのが一番の長所。まだ線は細いし、まだまだ強くなる余地はある。次走は馬の状態次第。弥生賞あたりかな」と模索し、3カ月後の同舞台の皐月賞を見据えた。関西の強豪、レイデオロとの再戦資格は自らの手でつかんだ。震えるほど寒い中山で勲章を得たインパルスの視界には、至高の春がはっきり入っていた。

 ◆コマノインパルス 父バゴ 母コマノアクラ(母の父フジキセキ)牡3歳 馬主・長谷川芳信氏 美浦・菊川厩舎所属 生産者・北海道むかわ町新井牧場 戦績3戦2勝 総獲得賞金4961万3000円。

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