【KEIRINグランプリ】村上 2億締めV!2回目の賞金王に輝く

[ 2016年12月31日 05:30 ]

<KEIRINグランプリ>優勝した村上は1億円の賞金ボードを掲げる
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 “魂のレーサー”が2回目のGP制覇――。平成28年熊本地震被災地支援競輪「KEIRINグランプリ2016」は30日、東京・立川競輪場で行われた。逃げた稲垣裕之を目標にした村上義弘(42=京都・73期)が番手まくりで優勝。12年以来、2度目のGP覇者となった。村上は賞金1億160万円を獲得し、12年以来、2回目の賞金王に。年間獲得賞金額は2億2920万円に上り、延べ8人目の2億円プレーヤーとなった。2着には武田豊樹、3着に浅井康太が入った。

 表彰台で村上が涙をこらえた。「この場に立てるとは思ってもいなかった…」。1万5000人を超えるファンが拍手を送った。「年々苦しい戦いになって、ファンの皆様に迷惑をかけることが多くなり、申し訳ない気持ちだった。その中でも応援してくれるファンが本当にありがたかった」。ファン投票1位に3度支持され、ファンを誰よりも大事にする村上ならではの言葉。腹の底から絞り出すような声だった。

 10度目のグランプリ舞台。稲垣に前を任せた。冷たくて重いバンクコンディション。「前半のレースのタイム、傾向から考えて稲垣が持ち味を発揮できる組み立て」。そう判断した村上がスタート直後に前をキープした。稲垣が先行態勢に入る。最終バックで平原がまくってきた。「平原君は強い。無我夢中で踏んだ」。平原に踏み勝つと今度は武田が直線強襲。42歳同士の戦い。しのいだ。村上が真っ先にゴール線を駆け抜けた。

 ゴール直後、「武田さんの勢いが良かったので勝ったかどうか分からなかった」がオーロラビジョンで確認。ファンの「村上おめでとう」の声援に歓喜のウイニングランで応えた。「自分の現状の力は他の8人に負けるが、競輪はパワーとスピードだけでは勝てない。競輪は僕に夢を与えてくれる」。

 雨、風、低温の悪いバンクコンディションに強いのは猛練習の裏付けがあるから。「僕は雪の日でも雨の日でも変わらない練習をしている」。4年前、12年の京王閣グランプリ制覇も真冬の大雨というコンディションの中だった。

 来年は「地獄のような日が続くのか(苦笑)。そのくらい責任を感じる」と語る1番車のチャンピオンユニホームを4年ぶりに着用する。しかし「1戦1戦、気持ちを込めて走っていくだけ」という村上イズムは何ら変わらない。

 ◆村上 義弘(むらかみ・よしひろ)1974年(昭49)7月6日生まれ。京都市出身の42歳。私立花園高卒。94年4月プロデビュー。通算1807戦571勝。通算取得賞金は17億4982万円。主な優勝は全日本選抜(02年)、オールスター(03年)、日本選手権(11、13、14、16年)、グランプリ2012、2016。1メートル70、76キロ。血液型O。

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