菜七子 パドックで落馬…海外初陣は放馬により競争除外

[ 2016年8月20日 05:30 ]

騎乗馬が競走除外となり、悔し涙を流す藤田菜七子

 菜七子、海外初騎乗は無念の競走除外――。19日、英国サンダウンパーク競馬場で行われた「ファティマ・ビント・ムバラク妃殿下レディースワールドチャンピオンシップ」の第13戦(芝1600メートル)に出場予定だった新人女性騎手の藤田菜七子(19)は、騎乗馬のアルティメットフォース(セン8)がパドックで暴れて放馬。レースは競走除外となり、海外での初騎乗は実現しなかった。

 同馬はパドックに入場する時点からテンションが非常に高く、菜七子がまたがった直後に立ち上がって後方に転倒。振り落とされた菜七子は馬の下敷きになってしまったが、その後にドクターと面談した結果、幸いにもケガはなかった。

 初の海外遠征で予期せぬアクシデントに見舞われ、競馬に参加することができなかった菜七子だが、レース終了後は主催者の配慮で優勝馬コリーヌの口取り記念撮影と表彰式に参加。関係者からの励ましに感極まった菜七子は号泣し「素晴らしい競馬場。乗りたかったので、こういう結果になって悔しい。ケガは全く大丈夫です」と話した。

 騎乗できずに終わってしまった菜七子に対し、主催者は同シリーズ優勝騎手たちによって争われる第15戦の「ファイナル」(11月13日、UAE・アブダビ)への招待を決定。「勝ってファイナルに行きたかったですが、もう一度、アブダビで乗るチャンスをもらえたのはうれしいです。頑張りたいです」と菜七子。22日夜に帰国する予定だ。

 ◆ファティマ・ビント・ムバラク妃殿下レディースワールドチャンピオンシップ アブダビのシャイカ・ファティマ・ビント・ムバラク妃殿下が、働く女性を支援する活動をしており、その一環として女性騎手を招待して「レディースワールドチャンピオンシップ」が行われている。世界各地で年間15戦を行い、ファイナルは毎年11月にUAEのアブダビで行われる。

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