【マイルCS】シンガリ負けからの戴冠、ヴァンセンヌならできる

[ 2015年11月18日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=17日】前走2桁着順の馬が実に7頭もいる今年のマイルCS。激走馬はこの中にいるとオサムはにらんでいる。

 “大敗”といっても、理由はさまざまだ。気性的なものであったり、距離適性であったり。天皇賞・秋でシンガリ負け(18着)を喫したヴァンセンヌの場合は“事故”のようなもの。悔しさをかみ殺す松永幹師の表情を、オサムは見逃さなかった。「天皇賞は度外視できると思います。危険を避けるために外に出したら、かんで行ってしまった。直線では、もう“流して”いたぐらい。馬のことを考えると、良かったとは思いますが…」

 リズムを狂わされたのは2コーナー。ラストインパクトが内側に斜行したためダコールがラチに接触するアクシデント。この余波を食らって外側に押し出される格好に。うまく前に壁がつくれず、完全に折り合いを欠いてしまった。「馬の状態は本当に良かったと思います。4角ぐらいまでは、“うなって”行ってたぐらい。毎日王冠(9着)を使った上積みもあったと思います」

 天皇賞・秋は“高み”を目指した一つのチャレンジ。シンガリ負けも事実として受け止めるしかない。今回は走り慣れたマイル戦に戻る。東京新聞杯を圧巻の末脚で制し、安田記念でモーリスの2着した距離。しかもその安田記念は直線で前が壁になり、完全に脚を余した。まともなら突き抜けていた。

 「あとは雨ですね。雨が降って馬場が少し柔らかくなればいい。最近は週末に雨が続いているし、先々週ぐらいの馬場なら、絶好なんですが」。栗東は火曜の午後から雨が降りだし、きょう水曜は終日雨模様。週末の空模様を味方に付けることができれば勝機はアップする。マイルCS史上、前走2桁着順、それもシンガリ負けからの戴冠は過去に例がないが、ヴァンセンヌなら可能な気がする。

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2015年11月18日のニュース