【エプソムC】豊騎乗エイシンヒカリ、幻惑逃げで重賞初V!秋天見えた

[ 2015年6月15日 05:30 ]

イメージ一新!?エプソムCで重賞初制覇を達成したエイシンヒカリ(手前)。奥は2着のサトノアラジン

 「第32回エプソムC」が14日、東京競馬場で行われた。武豊騎乗の2番人気エイシンヒカリが絶妙ペースで逃げ切り、通算8戦7勝で重賞初制覇達成。天皇賞・秋(11月1日、東京)の有力候補に一躍浮上した。

【レース結果】

 これが、本当にエイシンヒカリ!?イメージ一新の幻惑逃げで重賞初Vをつかんだ。ポンとゲートを出たまでは、いつもと同じ姿だった。だが、トレードマークの後続を引き離しての大逃げではない。2番手フェスティヴタローがすぐに背後にいても、制御は利いている。前半5F59秒2。昨秋アイルランドT(1着=同58秒2)より1秒も遅いマイペース。直線は一瞬外にヨレかけたが、武豊が右ムチに持ちかけて矯正すると、また伸びる。インを突いたサトノアラジンを首差ねじ伏せたところがゴール。8戦7勝。完璧な逃げ切りだ。

 コンビ結成2戦目の武豊はJRA重賞298勝目。「みなさんが期待していたのと違って、優等生の競馬ですいません…」。報道陣は爆笑だ。手本通りのタメ逃げ。アイルランドTのように、4コーナー通過後にスタンド側に大斜行することもなかった。鞍上は「レース前から、この馬としては落ち着いているな…と。コーナーも上手に走って、全く問題なかった」と称えた。

 想定外のレース内容だったのだろう。坂口師は少々驚き交じりに切り出した。「競られるとムキになる面があるので、豊くんに“思い切って逃げてくれ”と言っていたんだけど。さすがです。まだ馬は若いし、現状逃げるしかない。気持ち良く走らせてくれた」と鞍上の好プレーを絶賛だ。

 武豊&逃げ馬といえば、伝説のサイレンススズカ。ひょっとして再来か?武豊は「あの馬とは少しタイプは違う。きょうの感じなら(ヒカリは)抑えるレースもできる。下げても大丈夫」と、差し馬としての可能性も感じている。

 強烈な末脚で一時代を築いた父ディープインパクトとは真逆の個性派。まだ4歳。さらに成長する余地は秘めている。JRA重賞25勝目を飾った指揮官は「重賞はいいね。ヒカリは夏は強くない面があるので、休ませるかもしれない」と充電でパワーアップを図る方針。武豊は「まだ1回しか負けてない。秋は大きいレースに行きたい。強くなるのが楽しみ」と収穫の秋を約束していた。

 ◆エイシンヒカリ 父ディープインパクト 母キャタリナ(母の父ストームキャット)牡4歳 栗東・坂口厩舎所属 馬 主・栄進堂 生産者・北海道新ひ だか町木田牧場 戦績8戦7勝 総獲得賞金1億3140万5000円。

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