【大村オールスター】狙うは1着のみ!今村、新レジェンドへ爆進

[ 2015年5月26日 05:30 ]

4号艇の今村は加藤さんの言葉を胸にレジェンドの道を進む

 15年のSG第2弾「第42回ボートレースオールスター」が26日、長崎県のボートレース大村で開幕する。“レジェンド”今村豊(53=山口)は節目となる30回目の出場。ファン投票4位の1万744票を集め、ドリーム戦4号艇から船出する。くしくも今月7日に「神様」とあがめる現役最年長の加藤峻二さん(73=埼玉)が引退。“大レジェンド”から後継指名された53歳は志を受け継ぎ、G1マスターズチャンピオン(児島)とSGのダブル制覇に挑戦する。

 「彼になら業界を任せられる」

 加藤さんからの言葉を伝え聞いた今村は「そんな大それた言葉を…」とグッとかみしめた。クリーンなレース精神を貫き、55年の選手生活を全うした加藤さんは“レジェンド”と称えられる今村にとっても雲の上の存在。「僕があの年齢まで走れるとは思わないし、71歳で優勝(13年、戸田)する人なんて、もう出ないですよ」と賛辞を送った。一走一走に勝って喜び、負けて悔しがる今村。「負けた時の悔しさがなくなったら駄目。加藤さんにもあったんだと思いますよ」とレジェンド同士のシンパシーを抱いた。加藤さんの志を継承し、26日の12Rも1着だけを見つめる。

 スター選手の祭典、オールスター。加藤さんは24回出場し、優勝1回(77年住之江)。03年の第30回(平和島)では61歳4カ月のSG最年長優出記録の金字塔を打ち立てた。そんな加藤さんにも引けを取らないのが今村だ。84年の第11回(浜名湖)を最年少の22歳で制するなど優出10回。昨年の福岡では1号艇で優出しながら、1Mでうねりに足をすくわれ準優勝。今大会はリベンジの舞台となる。「30回出るとは思わなかった。票の重たさを感じてまたまた頑張っていかないと」と、あらためて気合。完全優勝のマスターズチャンピオンとのダブル戴冠の偉業へ。通算8個目のSGタイトルは当然、歴代最年長SG優勝となる。

 手にしたエンジンは2連対率38・0%の14号機。優出2回、優勝1回の実績機だが、「いいエンジンみたいなんですけど…」と前検のスタート練習での感触はいまひとつ。特訓後、プロペラを叩いた。何と言っても当地はG1優勝4回と相性抜群。前々回のタイトル戦(1月)では7戦全勝のパーフェクトVを飾り、“前哨戦”の周年記念(4月)ではしっかり予選通過した。「ノーマルのエンジンより合わせやすい」と出力低減機の調整はお手の物。納得のパワーを引き出し、ファンの声援に、そして加藤さんのエールにしっかりと応える。

 ◆今村 豊(いまむら・ゆたか)1961年(昭36)6月22日、山口県生まれの53歳。48期として81年、徳山でデビュー。同期は久田正晴、鵜飼菜穂子ら。82年、蒲郡一般戦で初優勝。84年、浜名湖オールスターでデビュー最短となる3年1カ月でSG初優勝。通算成績7091戦2603勝、優勝131回、G1優勝47回、SG優勝7回。1メートル63、48キロ。血液型A。

 ◆加藤 峻二(かとう・しゅんじ)1942年(昭17)1月12日、埼玉県生まれの73歳。59年6月登録の5期。通算成績は勝率6.54、2連対率44.2%、優勝120回。70年、住之江鳳凰賞(クラシック)でSG初優勝。13年3月の戸田タイトル戦で公営競技史上最年長となる71歳2カ月で優勝。今年5月7日に引退を発表。生涯獲得賞金は16億3575万円。1メートル63、50キロ。血液型A。

続きを表示

この記事のフォト

2015年5月26日のニュース