【七夕賞】上原厩舎の福島巧者2騎、ラクリマ&ファルコン万全仕上げ

[ 2014年7月10日 05:30 ]

Wコースを軽く流すマイネルラクリマ

 トップハンデ両馬が万全の臨戦態勢を整えた。「第50回七夕賞」(13日、福島)の追い切りが9日、美浦、栗東トレセンで行われ、ダイワファルコンが好時計で迫力満点のフットワークを披露。一方、マイネルラクリマも遅い時計ながら素軽い動きで上昇ぶりをアピールした。どちらも上原厩舎(美浦)に所属する名うての福島巧者。昨秋の福島記念に続く同一厩舎ワンツーが見えてきた。

【七夕賞】

 豪雨の中で立て続けに追い切られた七夕賞の主力2騎。雨に煙る馬場へ双眼鏡を向けながら上原師が満足そうな顔を浮かべている。「対照的な調教メニューを課したが、どちらも上り調子で得意の舞台に臨める。あとはハンデとの闘いだけだ」。七夕賞連覇が懸かるマイネルラクリマと福島記念連覇を果たしたダイワファルコン。トップハンデ58キロが課された上原厩舎の2頭は静と動、好対照の追い切りを披露した。

 午前5時の開門と同時にWコース入りしたダイワファルコン。直線で激しく動いた手綱に反応して四肢をパワフルに回転させる。単走で5F65秒7~ラスト1F12秒9の出色のタイム。「先週は併せ馬で申し分のない動きを見せていたし、復調したといっていい。昨年の福島記念(1着)と比べても、全く遜色のない状態に戻った」と上原師は7歳の古豪に頼もしそうな視線を向ける。「無理しないで使ってきたから7歳でも若い。春の中山ではちぐはぐなレースで大敗したが、福島に照準を定めて短期放牧でリフレッシュした効果が表れている」と歯切れのいい言葉を連ねた。

 その5分後にはマイネルラクリマが同じWコースを単走で追われて5F70秒1~ラスト1F13秒3。余力残しで外めを回ったとはいえ、ファルコンよりも4秒以上遅い時計となった。「ファルコンはのんびりした気性だから直前に速い時計で気持ちをかき立てる必要があるが、ラクリマは敏感な気性。1週前にしっかり負荷を掛けて直前は軽く流す、いつもの調整法です」。

 気性の違いから対照的なメニューを課した同師。「ラクリマも体調の上積みはかなりある。香港遠征帰りの前走(エプソムC2着)はトレセン帰厩10日で競馬。間に合わせた感じだったが、今度はじっくりと仕上げた」。宝塚記念も登録だけにとどめて、七夕賞連覇に懸けてきた。

 甲乙付け難い仕上がりのトップハンデ2頭。4角先頭で押し切る脚質まで同じとあれば、七夕の行方は天の川の神のみぞ知る…。「ファルコンは大丈夫だが、ラクリマは58キロに実績がない点が少し気掛かり。でも、ラクリマにも福島の重賞を連覇させたい」。上原師は短冊に願いを込めるように、そっとつぶやいた。

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