【きさらぎ賞】トーセンスターダム 超難敵差し切り無傷の3連勝!

[ 2014年2月10日 05:30 ]

トーセンスターダム(手前)が差し切る

 春のクラシックを占う「第54回きさらぎ賞」が9日、京都競馬場で行われた。2番人気のトーセンスターダムが中団から力強く伸びるとゴール直前、1番人気のバンドワゴンをきっちりかわして重賞初制覇。近親に活躍馬がズラリと並ぶ超良血のディープインパクト産駒が無傷の3連勝で春の大舞台に弾みを付けた。武豊は岡部幸雄元騎手に並んで歴代1位タイとなる28年連続のJRA重賞制覇。池江師は早くも今年重賞4勝目となった。

【レース結果】

 武豊は池江師から最重要課題として与えられた“競馬を教える”任務を完璧に遂行した。それに加えトーセンスターダムに初の重賞タイトルもプレゼント。池江師は「さすが天才武豊だね」と最敬礼で出迎えた。鞍上の表情も実に明るい。

 「他の馬を気にせず、この馬としていいレースができました。3戦目でもテンションが上がりすぎず、上手に折り合えた。こういう(道悪の)馬場をこなすことも確認できたし、成長を感じましたね。もちろん勝って賞金を加算できたし、クラシックの権利を獲れたことは大きいですよ」

 最大のライバルと目されたバンドワゴンが途中からハナを奪って逃げたが、戦前の宣言通り、自分の競馬に徹した。折り合いはスムーズ。勝負どころでも先頭との差は5馬身あったが、ジッと我慢。直線で馬場のいい外めに持ち出されると、一完歩ごとに差を詰め、ゴール前できっちりかわした。

 「ゲートが悪いし、直線でフラフラした。もう一段ギアが欲しいし、大きい舞台で戦うには、もっと成長していかないと」

 辛口なコメントも残したが、それは期待の大きさゆえ。最後に「でも、素質は間違いない」と付け加えて、クラシックへの確かな手応えを感じさせた。

 このきさらぎ賞勝利は5勝の父・武邦彦元騎手を抜いて単独トップとなる6勝目だ。これには「お~、いいね。でも、きょうはそういう話はどうでもいいよ」とニヤリ。

 次走は未定だが「皐月賞前に1回使うかどうかは分からない。直行でもいいが、キャリアは積みたいからね」と池江師。まだまだ緩く、とりわけトモに甘さの残る馬体だけに、今後の成長度合いは大きいはず。

 「2着でもダービーは安泰と思っていたけど、勝ち切れたことが一番大きい」

 指揮官は「あくまでダービー」と何度も口にする。デビュー前、いや生まれた時からスターダムに駆け上がることを宿命づけられた大器。この日の勝利は通過点に過ぎない。

 ◆トーセンスターダム 父ディープインパクト 母アドマイヤキラメキ(母の父エンドスウィープ)牡3歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金5958万1000円。

続きを表示

2014年2月10日のニュース