【中京記念】“名刀の切れ”復活!フラガラッハが大外一気で連覇

[ 2013年7月22日 06:00 ]

中京記念を連覇したフラガラッハ

 中京最終週を飾るサマーマイルシリーズ第1戦「中京記念」は、5番人気フラガラッハが大外一気でV。昨年に続く連覇を飾った。

【レース結果】

 1年前のVTRを見ているようだ。外から大きなフットワークを繰り出し、フラガラッハが馬群をのみ込んでいく。残り100メートルで先頭。追いすがるミッキードリームを力強く振り切り、史上初の中京記念連覇を成し遂げた。調教にもまたがって意思疎通を図ってきた高倉は、右手で愛馬の肩をポンと叩き、小さくガッツポーズした。

 「メンタル面が難しく、僕のエスコート次第で結果が変わる馬。うまく運ぶことができた。具合も良かった。ずっと乗せてもらっていたのに結果を出せなかったが本当に良かった」

 枠順も味方した。出遅れがネックだったが、それを救ったのが大外16番。「いつもゲート内で立ち上がったりするが、(最後に入れる)大外なら、それをする前にゲートが開く」と松永幹師は説明した。ゲートを五分に出ればこっちのもの。「位置取りが良かったし、中京も合う。高倉もうまく乗ってくれた」と喜んだ。

 昨年勝った後、6戦連続の黒星。掲示板(5着以内)にすら載れなかったが、今回は奮闘すべき要素が多くあった。父デュランダルが7日に14歳で急死。父の武器だった鬼脚を受け継いだ1頭として、存在感を示したかった。20日には同じ中京マイルの新馬戦で半弟フェルメッツァが快勝。さらには、パドックで「最も美しく手入れされた馬を担当する厩務員」を称えるベストターンドアウト賞にフラガラッハは選出された。まるで運命に導かれたかのような連覇だった。

 「次は新潟(関屋記念=8月11日)。今年はサマーマイルシリーズを狙っていきたい」と指揮官。高倉も「勝ったから安心するのではなく、また調教から気を付けて乗っていきたい」と気を引き締めた。1年ぶりの重賞V。その先にはシリーズ制覇、そしてG1が。人馬の絆を深め、フラガラッハはその切れ味に磨きをかけていく。

 ≪サマーマイルシリーズ≫芝1600メートル重賞3レースの着順に応じたポイントでチャンピオンを決めるシリーズ。昨年創設。対象は中京記念、関屋記念(8月11日、新潟)、京成杯AH(9月8日、中山)。ポイント最上位馬(1勝以上、12ポイント以上)の馬主には2400万円、厩舎関係者には600万円が支給される。ポイントは1着10、2着5、3着4、4着3、5着2、6着以下1。

 ◆フラガラッハ 父デュランダル 母スキッフル(母の父トニービン)牡6歳 栗東・松永幹厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績24戦8勝 総獲得賞金1億9805万9000円。

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2013年7月22日のニュース