【天皇賞・春】フォゲッタブル 急死の母・グルーヴ弔うG1初制覇を

[ 2013年4月26日 06:00 ]

厩舎周りで運動するフォゲッタブル。天皇賞・春で母に手向けるVとなるか

 「第147回天皇賞(春)」の出走馬、枠順が25日、決まった。23日に急死した母エアグルーヴに手向けのVを、と一発を狙うのがフォゲッタブル。前走・阪神大賞典で3着と調子をグンと上げての参戦、スタミナを武器にドラマチックストーリーをつくり上げるつもりだ。なお、同レースは26日から金曜発売される。

【天皇賞・春】

 今は亡き偉大な母の後押しがあるかもしれない。23日に急死した名牝エアグルーヴの血を引くフォゲッタブルが春の長距離決戦でG1初制覇を狙う。

 エアグルーヴが伊藤雄厩舎で現役だった頃、池江師は父・泰郎氏のもとで調教助手を務めていた。

 「凄くキレイな馬というのが印象でした。自分が携わっていたステイゴールドがいた時期で、バブルガムフェローとか強い牡馬がいる中で、あれだけ活躍したのは能力が突出していたんでしょうね。そのエアグルーヴの子供を管理させてもらってG1に出られるのは本当にうれしい」

 96年オークス、97年天皇賞・秋を制した母は競走馬としてだけではなく、繁殖牝馬としても日本競馬の歴史に名を残した。フォゲッタブルの兄弟には03&04年エリザベス女王杯で連覇を達成したアドマイヤグルーヴ、香港で昨年のクイーンエリザベス2世Cを制したルーラーシップ、昨年のマーメイドS勝ちグルヴェイグなど活躍馬がズラリ。この馬自身いまだG1勝ちはなくても3歳秋に菊花賞2着、翌年のこのレース(6着)では1番人気に支持されたほどの逸材だ。今年7歳でも衰えはなく、前走・阪神大賞典では3着と見せ場をつくった。

 追い切り翌日のこの日は厩舎周りの引き運動60分のメニュー。じっくり体をほぐして週末に備えた。「追い切り後もコズミ(筋肉痛)がなく、状態は良さそう。スタミナはあるし、自分のリズムで運べば力を出せる。最近は人間に反抗することなく、指示を待てるようになりました」

 春と秋の違いがあるとはいえ母が天皇賞ウイークに息を引き取ったのは不思議なめぐり合わせ。盾獲りのDNAを受け継いだ息子が“弔い合戦”で大仕事をやってのければ、これ以上ない劇的ドラマになるのは間違いない。

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