【皐月賞】ロゴタイプ 圧巻レコード1冠!またデムーロ

[ 2013年4月15日 06:00 ]

人気順にゴールする(左から)1着ロゴタイプ、2着エピファネイア、3着コディーノ

 速くて強い馬が1冠目を制した。牡馬クラシック第1弾の「第73回皐月賞」が14日、中山競馬場で行われた。2歳王者ロゴタイプが直線で鋭く伸びて1番人気に応えた。田中剛師はクラシック初制覇。鞍上のM・デムーロは03年ネオユニヴァース、04年ダイワメジャーに続く史上最多タイの皐月賞3勝目を挙げ、弟C・デムーロの2着に敗れた先週の桜花賞の雪辱を果たした。

【レース結果】

 2歳王者の強さは本物だった。残り200メートルでロゴタイプがスッとエピファネイアの前に出る。「ああいう形になったら負けないなと思った」と田中剛師。その言葉通り。最後は半馬身の着差以上に余裕を感じさせてゴールに飛び込んだ。M・デムーロは「ちょーうれしいです」と流ちょうな日本語で喜びを口にした上で「He knows everything(彼は全てを知っている)」と愛馬を称えた。

 1分58秒0は驚異のコースレコード。秋の高速馬場で記録されたカルマートの1分58秒2(11年紫苑S)を最終週の馬場で更新した。ベゴニア賞での2歳レコード、朝日杯FSの2歳タイレコードに続き、実に3度目の“レコードV”。「速い馬が勝つ」と言われる皐月賞の勝ち馬にふさわしい走りだった。

 4強ムードで迎えた一戦。要所要所でライバルにない長所が生きた。最初のポイントはスタート直後の直線。コディーノと接触して内に押された。ライバルがこれでエキサイトしたのと対照的に「集中していたので問題なかった」(M・デムーロ)とリズムを崩さなかった。次は3~4角。外からカミノタサハラが上昇を試みたが、コーナーでスピードが乗り切らない相手に対してロゴは指示に瞬時に反応。先に前に入り、勝負どころでのロスを回避した。残るライバルは前にいるエピファネイア。「相手は2000メートルも経験していたので、あまり戦いたくなかった。だから早めに抜け出した」と一瞬の瞬発力を生かし、スタミナを消耗する追い比べを避けた。

 次走は2冠の懸かるダービー(5月26日、東京)。M・デムーロは短期免許が切れるため、スプリングSで代打Vを飾った弟のC・デムーロが騎乗する予定。距離延長がポイントとなるが、グレード制導入後、朝日杯2歳Sと皐月賞を制した馬は92年ミホノブルボン、94年ナリタブライアンともにダービーも制した。

 「位置取りもペースも馬場も関係ない。どう走ればいいかを分かっているクレバーな馬。2400メートルは十分に対応できると思うし、ダービーでは弟が勝ってくれると思います」とM・デムーロが言えば、師も「きょうの位置取りでも折り合いがついたし、距離は延びても大丈夫」と手応え十分。2歳王者は3歳王者の肩書も手に入れようとしている。

 ◆ロゴタイプ 父ローエングリン 母ステレオタイプ(母の父サンデーサイレンス)牡3歳 美浦・田中剛厩舎所属 馬主・吉田照哉氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績8戦5勝 総獲得賞金2億7948万2000円。

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