【有馬記念】01年マンハッタンカフェ快勝「怖いくらいの出来だった」

[ 2012年12月20日 06:00 ]

01年、マンハッタンカフェは菊花賞に続き有馬記念も制す

 21世紀最初の有馬記念は菊花賞を制した3歳マンハッタンカフェが、古馬もねじ伏せて世代交代を果たした。G1の常連だったテイエムオペラオー、メイショウドトウをまとめて差し切った。人気はこの強力5歳2頭に次ぐ3番手。だが、松本重春厩務員には手応えがあった。

 「菊花賞がピークと思っていたが、グランプリはそれ以上。怖いくらいの出来だった。相手は強かったが、ひょっとしたらと思って、当日は女房や子供を競馬場に呼んでいた。格好がついて良かった」

 調教助手としてサクラチヨノオー(88年ダービー)、サクラバクシンオー(93&94年スプリンターズS)など数々の名馬にまたがった腕利きをうならせるほどのオーラがあった。「普段の運動から雰囲気が違った。周りの馬をにらんで威嚇するほどの闘争心だった」と振り返る。「半端ないほどに物が違った。瞬発力にどんどん磨きがかかっていった。これだけ成長を感じ取れた馬は、なかなかいない」。脱帽の成長力だった。

 翌年秋には凱旋門賞に挑戦したが13着に敗れた。同行した松本厩務員は、ロンシャン競馬場で行われたマンハッタンカフェの公開調教に騎乗した。「当時、見習騎手だったルメールが先導してくれた。あの競馬場を走れたのは今でも自慢だな」。思い出をかみしめた。

 ◆松本 重春(まつもと・しげはる)1951年(昭26)2月19日、北海道生まれの61歳。騎手を目指し高木良三厩舎(東京競馬場)に小島太騎手(現調教師)の弟弟子として入門。同厩舎で調教助手となり、境勝太郎、小島太厩舎へ。昨年、体調不良のため競馬サークルを離れたが、今年3月に佐藤吉厩舎で厩務員として復帰。現在の担当馬はプリティスター(5歳1000万)、アシタハテンキ(2歳新馬)。

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2012年12月20日のニュース