【毎日王冠】フェデラリスト 田中剛師が乗り味絶賛

[ 2012年10月4日 06:00 ]

田中剛調教師を背に追い切ったフェデラリストに春の好調さが戻った

 フェデラリストの最終追いに自ら騎乗した田中剛師が満足そうな笑顔で引き揚げてくる。「(中山記念を勝った)今春の感じに戻っています。キャンターのような走りで速い時計を出す。そういう乗り味でした」と手綱から伝わる感触を口にした。その乗り味はたとえば、エンジン性能の高い高級車が軽くアクセルを踏んだだけで滑らかにギアを上げていくような感覚だという。

 Wコースで単走追い。首を使いながら柔らかいフットワークを伸ばしていく。鞍上の手綱はピクリとも動かない。それでも、自らハミを取ると、ゴール前、軽くアクセルを踏んだだけでラスト4F52秒7~38秒1~12秒5を計時した。「追い切りの動きも良かったけど、以前より落ち着きが出てきたことも評価したい」と同師は続ける。

 その落ち着いた気配は、追い切りの直前にもうかがえた。角馬場で準備運動を終えてコースへ移動する際、担当厩務員が引き手を持って付き添ってきたが、この日は付き添いなしでコース入り。「以前はうるさい面があったので、厩務員さんがいないと怖くて歩けなかったが、もう1人でも大丈夫。馬が大人になったのかな」と言う。

 放牧先の山元トレセン(宮城県)から帰厩して間もない9月上旬には、雷鳴に驚いて馬房の中で暴れ回り、左トモを外傷するアクシデントがあった。「でも、運動は休ませていないし、全く問題ない。宝塚記念(10着)は悪い馬場に何度もつまずいてブレーキをかけていたが、馬場のいい開幕週の東京で結果を出したい」と同師は締めくくった。

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2012年10月4日のニュース