【セントライト記念】フェノーメノ“貫禄”の先着

[ 2012年9月14日 06:00 ]

<セントライト記念>ウッドチップコースで追い切るフェノーメノ

 今週は3日間連続の変則開催。セントライト記念は月曜中山のメーンに組まれており、出走全馬が木曜追いを選択した。主役を務めるダービー2着馬フェノーメノは、古馬のオープン馬相手に貫禄の1馬身先着。秋初戦へ上々の滑り出しだ。

 ポルトガル語で「超常現象、怪物」の意味を持つフェノーメノだが、最終追いは闘志を内に秘め、あくまで「静」に徹した。ラッキーバニラ(5歳オープン)とともに、ゴール板近くの入り口からWコースへ。パートナーを2馬身先行させ、1~2角は脚慣らし。大きくゆったりと回った。向正面に出ると徐々に加速。手綱は抑えられたままだが、自然と四肢の回転が軽快さを増していく。4角で追いつき、内に馬体を併せて直線へ。パートナーも1000万→準オープンと連勝中の上がり馬だが、格が違った。残り1Fで軽く仕掛けられ瞬時にグッと前に出ると、手応えに余裕を残したまま1馬身先着した。

 「いい反応だった。先週、ジョッキー(蛯名)にまたがってもらって、しっかりやっているし、今週は無理せず予定通り。いい状態でレースに臨める」。歩様を入念にチェックし、満足そうな笑みをたたえて切り出した戸田師。続けて目に見える変化を口にした。「春先は前脚にバランスが偏った体形だったが、トモ(後肢)に張りが出て全体のシルエットが良くなった」

 調教を見守った蛯名も「良さそうだね。夏を順調に乗り切ったことが一番大きい。春はフラフラ走るようなところがあったが、反応が良くなり動きも滑らかになってきた」と評価する。だが、コース適性の話になると穏やかな口調が一変した。東京の【3100】に対し、中山は【0002】と結果を残せていないが、「そういうレベルの話をする気はない。下級条件の馬じゃないし、これからもっと強い馬が相手になる。ここで条件がどうこう言っていては上のクラスでは戦えない」と語気を強めた。

 能力を信頼する鞍上は最後にこう付け加えた。「春はダービー(鼻差2着)で悔しい思いをしたから、何とか秋はという気持ち。どんな競馬をしてくれるか楽しみなんだ」。3歳世代の関東代表として成長の証を見せつける一戦だ。

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2012年9月14日のニュース