【新潟記念】新潟王者だ!北村、周囲と妻のサポートに「応える!」

[ 2012年8月31日 06:00 ]

【新潟記念】新潟リーディングを目指す北村宏司騎手

 夏の新潟開催も今週がラスト。リーディング争いで2位に付けている北村宏司騎手(32)が静かに燃えている。コンスタントに好成績を残しながら、これまで夏の新潟のリーディングとは縁がなかったが、今回は大チャンス。新潟記念のムスカテールをはじめ、土日計21鞍の騎乗で逆転を狙う。

 夏の新潟リーディングと言えば、副賞として米俵が贈られることで知られる。「やっぱりお米、欲しいですよ」。北村宏は隠すことなくリーディングへの思いを口にした。

 最終週を前に16勝で2位。3勝差をつけてトップの内田は土曜、札幌で騎乗。逆転は十分に可能だ。負傷で離脱した08年以外はコンスタントに勝ち続けているが、リーディングの座は遠かった。今年は違う。静かな男が決意を語った。「今年は開催前から、乗せてもらっている調教師の方々に“リーディングを獲らせてやる”と言ってもらってきた。それに応えたい」。周囲のサポートを裏付けるように今週末は大攻勢。土曜は障害以外の11鞍、日曜は10鞍に騎乗する。

 競馬に臨むストイックな姿勢には定評があり、体調管理も怠らない。管理栄養士と契約し、奈美夫人が食卓に並ぶおかずの写真を送信して、細かなアドバイスを受けている。開催日も同様だ。炎天下での騎乗は激しく体力を消耗する。「体重が落ちてしまうと力が入らなくなる。サプリメントなどを取ってコントロールしている」と常に全力を発揮できるよう努めている。「夏場に1日乗ると感覚的には(自分でやる)サッカー2試合分くらい疲れる」とか。細かな努力が超人的な体力を支える。

 日曜メーンの新潟記念はムスカテールに騎乗。テン乗りだが「今年の新潟は例年以上に馬場が硬いし、(軽量の)52キロはいい」と一発を狙う。「逆転は厳しいかもしれないが、多くの人に応援してもらっている。諦めずに頑張りたい」と決意を示した北村宏。それほど闘志を前面に押し出すタイプではないが、その胸の内はメラメラと燃えている。

 ◆北村 宏司(きたむら・ひろし)1980年(昭55)7月24日、長野県生まれの32歳。99年藤沢和厩舎からデビュー。1年目に37勝を挙げ、最多勝利新人騎手に。00年1月の東京新聞杯(ダイワカーリアン)で重賞初V。06年ヴィクトリアM(ダンスインザムード)でG1初制覇。11年1月、フリーに。9659戦849勝(30日現在)。1メートル57、50キロ。血液型A。

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2012年8月31日のニュース