福島競馬 復興の期待乗せ1年5カ月ぶり再開 「原発事故に負けない」

[ 2012年4月7日 13:35 ]

再開した福島競馬場に詰め掛けた大勢の競馬ファン

 日本中央競馬会(JRA)の福島競馬が7日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響による開催休止を挟み、約1年5カ月ぶりに復興への期待を乗せ、再開した。

 福島競馬場(福島市)では日差しはあるものの肌寒い中、午前8時45分の開場前から、再開を待ちわびた多くの地元の競馬ファンやカップル、家族連れが集まった。第1レースのファンファーレが鳴り響くと観客席から拍手が。良馬場に恵まれた最後の直線を出走馬が駆け抜けると、ゴール前では大歓声が上がった。

 競馬仲間5人で午前7時半から並んだ福島県伊達市の会社員斎藤孝さん(49)は「これまで本当にいろいろなことがあったから、感動で涙が出そう。俺たちは原発事故には絶対に負けない」としみじみ。カップルで訪れた仙台市の会社員菅原千尋さん(22)は「震災後、競馬場に来るのは初めてでうれしい。ぜひ馬券を当てたいです」と笑った。

 同競馬場で昨年9月以降、施設の修繕や、芝コースの張り替え、ダートコースの砂の入れ替えなど除染に計約42億円をかけ、開催にこぎ着けた。

 今回の“春競馬”は4月の毎週土日の8日間。今年は例年通り6~7月と11月にも開催の予定。

 福島競馬場は地震で天井の一部が損壊するなどしたが、昨年8月までピーク時で住民約550人を受け入れ、避難所としても機能した。

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2012年4月7日のニュース