【阪神大賞典】オルフェーヴル 妥協なき凱旋道

[ 2012年3月13日 06:00 ]

<阪神大賞典>始動するオルフェーヴル

 今週は東で皐月賞TRの「第61回スプリングS」、西では天皇賞・春の前哨戦「第60回阪神大賞典」が行われるがいずれも真打ちが登場だ。阪神大賞典では昨年の年度代表馬オルフェーヴルが始動。ちょうど1年前のスプリングSから破竹の6連勝。現役最強馬の称号を引っ提げて12年最高のスタートを切るつもりだ。

 昨年の年度代表馬オルフェーヴルが新たな一歩を踏み出す。昨年は有馬記念を含めての4冠達成。絶対王者として迎えた今年だが、4歳になって変化はあったのか。12日朝、担当の森澤助手がこの中間の様子を語った。

 「休ませてリフレッシュされた感じです。特に大きく変わったところはないですね。いつものオルフェーヴルですよ」

 前走後はノーザンファームしがらきに放牧に出して2月24日に帰厩。馬体重は480キロほどでひとまわり大きくみせたが、その後の厩舎での乗り込みで、現段階で470キロほどに。「引き締まってきましたね」と話すように、予定通りの調教を積めて、仕上がりは上々だ。当日の馬体重は「前走と同じぐらいかな」と見通しを話しながらも、「この馬の場合は分からないんですよ」と続けた。

 「自分で走れる体に調整するんです。カイバも食べたいときに食べます。とにかく自己主張するので」

 前走の有馬記念でも中山競馬場に着くと、馬房では壁を蹴るなどのやんちゃなしぐさをみせた。「どこにいってもあんな感じ。もうすぐ走れることが分かっているので、うれしいんじゃないですかね」と“らしさ”を前面に出した自己流の直前調整でレースに挑む。

 「走り終わった後は、これまで息が入らなかったことはないですね。強いていえば(不良馬馬だった)ダービーの後ぐらい」

 持って生まれた心肺機能の強さと闘争心。この長所を最大限に生かせるよう、「普段から我慢させるところは我慢させて」調教を積んでいる。3000メートルの菊花賞でも折り合いを欠くことがなかったように、着実に効果となって表れ、今も進化を続けている。

 「先のことももちろん考えていますけど、それよりも1回1回無事しっかり走ってくれるかどうか。それが一番大事ですね」

 今年の最大目標は秋の凱旋門。デカイ野望を視野に入れながらも、まずは目の前のレースで結果をきっちり残すこと。現役最強馬の名にかけて、ここは貫禄の走りをみせつける。

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2012年3月13日のニュース