【帝王賞】ファルコン逃魂！！武豊全幅の信頼

＜帝王賞＞交流重賞の常連スマートファルコンが得意の逃げで帝王賞に挑む

　上半期の古馬ダート頂上決戦「第３４回帝王賞」が２９日、東京・大井競馬場で行われる。舞台も同じ大井２０００メートルで日本レコード２分００秒４をマークし、１０年東京大賞典を制した（６）スマートファルコンが再びＴＣＫのＧ１に登場。３歳の０８年秋から１９戦全て地方競馬場に遠征しダートグレード勝利数、ＪＲＡ所属馬の重賞勝利数ともに歴代最多の１４勝。Ｇ１・５勝エスポワールシチーとの初対決でＧ１・３勝目を狙う。

　徹底先行スマートファルコンが“わが道”を行く。

　３歳時は皐月賞など芝にも参戦したが、大井ジャパンダートダービー２着以降は砂路線。０８年１０月の金沢白山大賞典で重賞初制覇を果たすと、昨年５月の浦和さきたま杯連覇まで地方で１０個のＧ３、Ｇ２タイトルを獲得した。大輪の花を咲かせたのは５歳の昨秋だ。１８００メートルの船橋ＪＢＣクラシックで驚異のハイラップを刻み、強豪フリオーソに７馬身差の圧勝。地道に勝ち星を重ねてきた個性派がド派手なＧ１奪取を演じた。さらに東京大賞典では、軽い馬場を味方にダート２０００メートルの日本レコードまで樹立した。

　両Ｇ１の間に浦和記念Ｖを挟んでいたこともあり「さすがにかなりの反動が出た」（小崎師）とドバイ遠征なども断念し休養。次の最大目標を帝王賞に設定し、当初は５月の船橋かしわ記念で再始動の予定だった。調教だけでなく１度レースを使いたい。しかし、現状では忙しいマイルのＧ１で負担を掛けるのも微妙。だが、震災の影響で３月１６日開催が中止になったダイオライト記念が５月２日に移行。帝王賞制覇をにらみ、あえて２４００メートルをステップに選んだのだ。

　ＪＢＣ直前の日本テレビ盃（３着）からコンビを組む武豊は「１４００メートルでもハナに行けるスピードはあるが、今はこのぐらいの距離である程度速いペースで行った方がいい馬。ハナを切ればマイペースで走れるしね」と信頼を寄せる。昨年は、さきたま杯を使って帝王賞６着。今年はここ１本に的を絞ってきた。「放牧先でも緩めていないので状態はいいですよ。あとは自分の競馬をするだけですね」と小谷助手。

　昨年まで２年連続ＪＲＡ賞最優秀ダートホースの同世代エスポワールシチーは父も同じゴールドアリュール。真の王者へ、ひたすら逃げるのみだ。