【マーメイドS】地味血統トップレディ“下克上”果たす!

[ 2011年6月14日 06:00 ]

<マーメイドS>重賞初制覇に挑むアスカトップレディ

 阪神日曜のメーンは牝馬の重賞「第16回マーメイドS」。地味な血統ながらここに来て2連勝と力をつけたアスカトップレディの勢いが見逃せない。

 父アドマイヤボスは昨年限りで種牡馬を引退、母タガノシャーディは現役時代20戦して未勝利に終わっている。兄姉8頭にも中央での勝ち鞍はなく、近親も母の半弟ダイワスペリアー(ダービー3着)が目立つ程度。世間の注目を欠き、1歳秋のセリで主取りとなった後、100万円に満たない値段でようやくオーナーが見つかった。しかし担当の榎本助手は、入厩当初からキラリと光るモノを感じていたと言う。

 「非力だったけど、乗り味が良かったんです。新馬戦は9着だったけど、いずれは…と思っていました。以前に乗ってもらった藤田さんも“絶対にオープンに行くよ”と言ってくれてましたしね。値段は気にしてなかったですよ」

 思わず細めたその目に、狂いはなかった。4戦目で未勝利を勝ち、いきなり挑んだフローラSでも5着と素質の片りんを見せた。昨秋以降は気性面が成長するとともに、体重が増えて非力さが解消。心身の歯車がかみ合ったことで、成績もグンと上向いてきた。11月の500万を同日の福島記念より0秒1速いタイムで圧勝すると、1000万も3戦でクリア。余勢を駆って挑んだ前走パールSも鮮やかに差し切り、堂々の2連勝。充実著しい愛馬に榎本助手は期待を込める。

 「楽しみはありますね。希望は良馬場。あとは競馬に行ってテンションさえ上がらなければ…」

 馬名のトップレディには“第一線で活躍する女性”という意味がある。重賞の舞台はまさにぴったり。実績で上を行く良血馬たちにも、今ならば屈することはない。

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2011年6月14日のニュース