【フェブラリーS】トランセンド「砂王」襲名へ状態万全!

[ 2011年2月17日 06:00 ]

坂路で追い切るトランセンド

 中央競馬の11年G1第1弾「第28回フェブラリーS」の追い切りが16日、美浦、栗東両トレセン、船橋競馬場で行われた。昨年のジャパンCダートの覇者トランセンドは坂路で単走。たっぷりと水を吸った馬場に苦しみながらも、しっかりラストまで脚を伸ばし順調な調整ぶりをアピールした。

 G1連勝に挑むトランセンドの最終追いは坂路で単走。馬場の真ん中、白く息を弾ませながら、真っすぐに駆け上がった。3F目を12秒2のラップで通過し、残り1F。最も苦しい場面で走りが変化した。手前(軸脚)を替え、首をグッと下げて、もうひと踏ん張り。水を含んでスタミナを要す馬場にもバテることなく、ラスト13秒0(4F52秒8)でまとめ切った。

 「すこぶる順調だね。騎乗者(山下助手)も馬場に気を使っていたので、こんな感じで十分」。安田師の口調は滑らかだ。先週9日はポリトラックコースで6F72秒3の快時計をマークし、馬の気分を最大限に高めた。今週は一転して負荷の掛かる坂路で肉体に刺激を与えた。心身交互にメリハリを利かせる考え抜かれたメニューで、馬は最高の仕上がりを迎えた。

 「調教後に量って526キロ。10キロ以上たくましくなった。トモ(後肢)の周辺も大きくなった。全て成長分で伸びしろはたっぷりとある」。指揮官からは頼もしい言葉が次々と飛び出す。「フリオーソに雪辱したいね。日本テレビ盃で負けたが当時は休み明け。その後にグンと良くなったからね。今回は何とか…」。安田師には相手関係を眺める余裕もある。

 作戦もシンプルだ。「行くと思う。スピードが身上だから。逃げ宣言?まあ、その手前かな。“逃げの手前宣言”くらいで」と報道陣を笑わせた。

 フェブラリーSの後はドバイ遠征が決まっている。目下ゴドルフィンマイル(G2)に招待されているが、勝てばドバイWCに招待格上げの可能性が高い。陣営もそれを望んでいる。「その前に今週、全力投球だね。間隔を空けた方が走るし、楽しみ。今回は勝っても泣かないようにしたい」。JCダート優勝時は男泣きした指揮官。今回は凱旋する愛馬を余裕の笑みで迎えようと決めている。

 ≪砂路線は5歳世代が中心≫芝路線では現4歳世代の強さが際立っているが、ダート路線ではトランセンドを筆頭に現5歳世代の豊作ぶりが目立っている。フェブラリーSにはセイクリムズン、シルクメビウス、ダノンカモンなどがスタンバイ。ほかにもグロリアスノア、ケイアイガーベラ、スーニ、ラヴェリータ、ワンダーアキュートなど、重賞勝ち馬が多数いる。

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2011年2月17日のニュース