【有馬記念】ブエナビスタ万全!軽快!11秒6

[ 2010年12月23日 06:00 ]

CWコースで追い切るブエナビスタ

 牝馬が主役。「第55回有馬記念」の最終追いでブエナビスタは栗東CWコース単走で、しまい鋭く伸びて絶好の出来をアピールした。ファン投票1位に応えるべく、万全の仕上がりで大一番に臨む。一方、同期のライバル、レッドディザイアは予定通りのソフト仕上げで本番へ。“牝馬の時代”を象徴するように、今年を締めくくるグランプリでも上位独占を狙う。なお、有馬記念の枠順は23日に確定。24日に金曜発売される。

 朝一番のCWコースで女王がはじけた。スタンドから報道陣の視線が一斉に注がれたブエナビスタの追い切りは単走。前夜の雨でウッドチップには水分がたっぷりとしみ込んでいた。そんな馬場でもノメるところはなく、この馬らしい柔らかいフットワークで軽快にラップを刻んでいく。絶好の手応えで直線に向くと、藤原助手のゴーサインとともにグンと加速。しまい重点で6F86秒6、ラスト1Fは弾むように伸びて11秒6で一気にゴールへ。動きを見届けた松田博師は納得の表情で切り出した。
 「有馬記念だからといってやり方を変えることはない。いつも通り。うまく調教できたと思う」
 前走・ジャパンCは直線の斜行で無念の1位入線2着降着。その瞬間、次の目標はグランプリに切り替わった。乗り込みは順調そのもの。天皇賞、ジャパンCの疲れは一切、感じられない。ドバイ遠征から帰国後に検疫、ヴィクトリアマイル→宝塚記念と時間がない中で戦った春に比べれば、3戦に絞ったこの秋の臨戦過程は、はるかに理想的と言える。仕上がりに隙はなく、昨年2着時と比べても充実度は間違いなく今年の方が上。松田博師の言葉がそれを物語っている。
 「トモ(後肢)とか付くべきところに肉がついて、昨年より成長しているよ。3走目だけど体が減ることもないし、出来が上向いているってことはないけど、高いレベルで維持できている。現状では最高の状態じゃないかな」
 最終追い切りを予定通りにクリアし、トレーナーは自信を持って送り出す。バトンを託されるスミヨンも並々ならぬ意気込みで大一番に臨む。
 「ブエナビスタは最も強い牝馬だと思っているけど、前走ではそれを証明できなかった。だから、このレースへの思いは強いし、勝たなきゃいけないと思っているよ」
 豪華メンバーのこの一戦を制して現役最強をあらためて証明するか。ジャパンCの借りはここで返すしかない。

 ≪勝てば牝馬初の6億円獲得馬≫今年既に4億4977万6000円もの賞金を獲得しているブエナビスタ。有馬記念で2着以内に入れば、09年にウオッカがマークした牝馬年間最多獲得賞金(5億1129万8000円)を更新する。勝てば牝馬初となるJRA年間6億円獲得馬となる。

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2010年12月23日のニュース