【七夕賞】伏兵V!ドモナラズ「どうにかなった」

[ 2010年7月12日 06:00 ]

七夕賞を制したドモナラズ

 夏の福島開催を締めくくる名物ハンデ重賞「第46回七夕賞」が行われ、11番人気ドモナラズが大外からメンバー中最速、上がり3F34秒7の末脚を繰り出して重賞初Vを決めた。柴田善騎手は宝塚記念(ナカヤマフェスタ)、ラジオNIKKEI賞(アロマカフェ)に続く3週連続重賞制覇。手の付けられない勢いで、サマージョッキーズシリーズの首位に立った。

 これぞハンデ戦、これぞ福島。横一線のし烈な叩き合いからゴール前、グッと抜け出したのは大外も大外、ドモナラズだ!!直線を向いて右ムチ10発。柴田善は「凄いねえ、この馬」と首筋をなでたが、宝塚記念、ラジオNIKKEI賞に続く3週連続重賞Vの鞍上も、また凄い。スタンドからは「今週もありがとう」の声が飛んだ。
 スローの流れもわれ関せずで4角最後方。「前回乗った時(早春S12着)は他馬と接触してハナに行って負けてしまったので、抑えて折り合いをつけたかった。折り合いさえつけば、どの位置でも良かった」(柴田善)。乗れている時はジャッジにも余裕がある。「直線では横一線。どこに突っ込んでも駄目」と瞬時に判断して大外へ。これがピタリとハマり、直線だけで15頭をゴボウ抜きだ。「脚を余しても何だし、馬場も外が良かった。名前はドモナラズだけど、どうにかなったね」。丹後弁で「どうにもならないわんぱくもの」の意味通り、併せて叩き合った時に根性を発揮する長所を生かし切った。
 1番人気サンライズベガとの2頭出しで臨んだ音無師は伏兵の快走に満面の笑み。「前走(福島テレビオープン4着)の出来そのままで(最軽量タイの)52キロというのが良かった。このハンデに柴田善騎手が乗ってくれたことも大きい」と勝因を語った。次走は「勝った以上、サマー2000シリーズを進む。小倉記念(8月1日)に行くぞ」と宣言。それを聞いた柴田善は「よし、小倉には行ったことがないから引退前に行こう」と大声で即答。検量室内がドッと沸いた。
 サマージョッキーズシリーズも首位をキープ。優勝すればワールドスーパージョッキーズシリーズ出場権を得るが「まだ始まったばかり。この夏も大事に1鞍ずつ乗るだけだよ」と冷静。43歳、ヨシトミの素晴らしい夏は、まだまだ続く。

 ◆ドモナラズ 父アフリート 母アンプルカット(母の父ナリタハヤブサ)牡5歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・小田切有一氏 生産者・北海道日高町下河辺牧場 戦績27戦6勝 獲得賞金1億1391万8000円。

 ▼サマーシリーズ 芝2000メートルの重賞で争う「サマー2000シリーズ」と「サマースプリントシリーズ」の2部門。2000シリーズの対象重賞は七夕賞、函館記念、小倉記念、札幌記念、新潟記念の5戦。G3は1着10点、2着5点、3着4点、4着3点、5着2点、6着以下1点。G2の札幌記念は1着12点、2着6点、3着5点、4着4点、5着3点、6着以下1点。獲得ポイントの合計が13点以上&1勝以上した馬がシリーズチャンピオンとなる。チャンピオン馬の関係者には褒賞金として馬主に4000万円、厩舎関係者に1000万円が贈られる。歴代覇者は06年スウィフトカレント、07年ユメノシルシ、08年ミヤビランベリ、09年ホッコーパドゥシャ。

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2010年7月12日のニュース