開業3年目の策士、地道な努力で「派手」に活躍

[ 2010年5月28日 06:00 ]

東京プリンセス賞のトーセンウィッチで重賞初制覇を果たした川島正一師

 【地方競馬です!!】初勝利がJRA交流特別。重賞初制覇が20日に行われた牝馬最高峰レースの1つ、S1東京プリンセス賞。「やることが派手だね」とニヤリ笑ったのは開業3年目の川島正一調教師(41)だ。

 開業時の公約は「1年目に20勝。3年以内に重賞制覇」。07年10月26日に初勝利を挙げると、実質1年目の08年に98戦20勝で第一関門を突破。09年は162戦11勝。一見、スポーツ界で言われる“2年目のジンクス”にはまったかと思われる成績も「馬の入れ替えなど、3年目の今年を見据えて準備期間に充てた」と冷静そのもの。作戦はズバリ当たり今年既に13勝。重賞初制覇で公約もきっちり果たした。
 プリンセス賞では管理馬トーセンウィッチが前を行く2頭の間を割り、頭差で勝利。「途中で落鉄してたし、最後の2完歩は馬が自分で首を伸ばしたって騎手が言っていた。凄い勝負根性」と愛馬を称えた。
 「初戦の走りを見てモノになると思ったからトモ(後肢)が緩かったのをケアしつつウチ流に食べさせ、成長を待った」。転入当初にウィッチの能力を見抜き、辛抱強く育てた結果、430キロの馬体は458キロに成長。接戦を制する勝負強さにつながった。羽田盃で強豪馬とぶつけたのも、ここに照準を定めていたからこそ。
 地道な努力と入念に練った勝利への策は派手さの中に隠し、獲物をじっと狙う策士が次に打つ手は?交流G2「関東オークス」で2冠制覇を目指す。(秋田 麻由子)

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2010年5月28日のニュース