【小倉記念】ダンスアジョイ仰天の高配当V

[ 2009年8月3日 06:00 ]

ダンスアジョイ(左)がインから見事に差し切り小倉記念を制す

 これぞハンデ戦!サマー2000シリーズ第3戦「第45回小倉記念」はゴール前で横一線の叩き合い。最後は16番人気の伏兵ダンスアジョイが内から突き抜けた。松永幹師はこれがうれしい重賞初V。3連単は97万8500円のビッグな配当となった。札幌では話題の新馬ベビーネイルが圧勝デビュー。今後の走りに大きな期待がかかる。

 すべてがピタリとハマった。ダンスアジョイの鞍上・角田は後方からじっと機をうかがっていた。
 「持ち味を生かすために後ろからの競馬。外を回るつもりはなかった」
 追い比べからホッコーパドゥシャが抜けたと見えた瞬間、最内からズバッと差し切った。さすがは07年サマージョッキーズシリーズ覇者、G1・10勝のベテランだ。大胆な騎乗でVを引き寄せた。それでもレース後のインタビューでは謙虚に、感謝の言葉でファンの声援に応えた。
 「スタッフがいい状態に仕上げていたので、それに応えることができた。松永先生にはいつもお世話になっている。良かったです」
 松永幹師は騎手時代は、角田の3年先輩。これが調教師としての記念すべき初重賞制覇。開業3年目、待望の美酒にストレートに喜びを表した。
 「うれしいの一言。気楽に臨めたのが良かったかな。人気でもなかなか勝てなかったのに、うまくいく時は勝つんですね」
 春は期待馬レッドディザイアで桜花賞、オークスとも2着に終わった。それが、自身も「ビックリ」という16番人気馬での激走だ。
 「本当は新潟記念を使いたかったが、出走できるか微妙。ここで賞金を加算できればと。小回りがどうかと思っていたけど状態は良かったから」
 近走成績はさえなかったが、雨馬場に泣かされ続けてきたもので馬の状態そのものは決して悪くはなかった。やっと顔を見せた真夏の太陽も勝因の1つだった。ダンスアジョイの次走は新潟記念(30日)の予定。サマー2000シリーズ王者を狙う。「可能性が出てきましたね。条件は次の方がいいはずなんで」。広いコース、左回りこそが本来の得意条件。次こそは狙って勝ちにいく。(上岡 圭吾)

 ◆松永 幹夫(まつなが・みきお)1967年4月10日、熊本県生まれの42歳。JRA競馬学校の2期生で同期は横山典、熊沢ら。86年デビュー。JRA通算1万2416戦1400勝。重賞54勝。G1は91年オークス(イソノルーブル)、05年天皇賞・秋(ヘヴンリーロマンス)など6勝。06年に引退。07年厩舎開業、JRA通算44勝。

 【ダンスアジョイ】父ダンスインザダーク 母ナイルスター(母の父トニービン)牡8歳 栗東・松永幹厩舎所属 馬主・加藤泰章氏 生産者・北海道沙流郡日高町白瀬明氏 戦績38戦7勝(うち地方所属時2戦2勝) 総獲得賞金1億7527万6000円(うち地方所属時60万円)。

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2009年8月3日のニュース