史上2人目!横西 女子王座決定戦V3

[ 2008年3月10日 06:00 ]

女子王座決定戦の優勝戦を制し、トロフィーを手に笑顔の横西奏恵(中央)

 無敵のイン戦で女王に輝いた。「第21回女子王座決定戦」優勝戦が9日、津競艇場で優勝賞金750万円を懸けて行われ、横西奏恵(33)がインからトップスタートで押し切り、史上2人目となる同レース3Vを達成。昨年7Vで権利を得ていた総理大臣杯(25~30日、児島)へ弾みをつけた。

 イン戦の難敵、鈴鹿おろし(北西の向かい風)が最終日になって、ついにやんだ。ホームストレッチには春を告げる2メートルの南東の微風(追い風)。しかも、準優で80メートル起こしを成功させている横西にとってはあまりにも楽な小回りブイ起こし。あとは無敵のイン戦を展開するだけだった。コンマ11のトップSから全速でねじ込む栢場を一瞬にして引き波に沈める。1M先マイを果たすと、鵜飼菜穂子と並ぶ最多タイ3度目の女王へ独壇場だ。
 「あんなに凄い人と並んだなんて、凄く光栄。ドリーム戦の悔しさがあったから優勝できた」。横西は人なつっこい笑顔で振り返った。「勝って当たり前と思われるのは承知で走っている」。女性トップレーサーを自負する横西にとってシリーズの滑り出しは最悪だった。DR1号艇を手に入れながら1周2Mで浅田に迫られ、2周1Mでは3着に後退。優勝した後も「思い出すと今でも自分に腹が立つ」と消えることのない悔しさを優勝へつなげた。
 原田幸哉、魚谷智之、瓜生正義ら“花の76期生”の中で、女子選手史上4人目の本栖チャンプに輝いた逸材は95年5月の鳴門でデビュー2走目にして水神祭。99年には同大会(尼崎)で初優勝、06年、2度目の女王(浜名湖)で手に入れた総理杯の切符で女子レーサーとしては寺田千恵に続き史上2人目となるSG優出。期待通りの成長を遂げた。昨年は女子の最多連勝(17連勝)を記録し優勝は7回。進化は止まらない。
 「この優勝を弾みに新たな気持ちでぶつかります」と総理杯への意気込みを語った女王。最後には、7歳になった愛娘・小葉音(こはね)ちゃんの喜ぶ顔を思い浮かべ、「テレビ見ててくれたかなぁ。帰ったら頑張ったねってナデナデしてもらえるかなぁ」。母の顔に戻った横西の髪を祝福の温かい微風が揺らしていた。

 ▼横西 奏恵(よこにし・かなえ)1974年(昭49)7月6日、徳島県生まれの33歳。95年5月デビューの76期。通算2290戦740勝、優勝29回(今年2回)、SG出場8回。昨年は女子リーグ戦でV3と圧倒的な強さを誇った。1メートル56、47キロ。

 栢場優子(3着)スタート、1マークとすべてを出し切れました。2等が良かったですけど、海野さんの足も良くなってましたね。
 寺田千恵(4着)1マークのターンで滑りましたね。通算1000勝もできたし、いいシリーズになりました。
 香川素子(5着)4カドは作戦通り。スタートで放りました。1マークで差し場が開かなかった。回転も落ちてましたね。
 永井聖美(6着)スタート展示から全体的に感じがおかしかった。本番も早めに起こそうとしたけど起きなかったですね。

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2008年3月10日のニュース