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「GSR」の540万円より安い! 2シーター+ラゲッジルームの三菱トライトン「メガキャブ」は遊べるピックアップトラック! 日本導入もアリでは?

[ 2024年4月15日 13:00 ]

「1トンピックアップトラック」の巨大市場ではバリエーションも豊富

1トンピックアップトラックの巨大市場のひとつであるタイはその生産地としても知られ、世界中に供給されるトライトンだけでなく、日本向けのハイラックスも作られている。

その1トンピックアップトラックは、キャビンの違いにより大きく3つのボディタイプに分けられる。
ひとつが、日本でも販売される4ドアのダブルキャブ
もうひとつが2ドアのシングルキャブ
そして、もうひとつがシングルキャブの派生モデルの延長キャブで、「スペースキャブ」や「エクステンドキャブ」などメーカーにより呼び方はそれぞれだが、運転席後ろを延長し、居住空間を拡大したものだ。

日本では、軽トラックのスズキ スーパーキャリーやダイハツ ハイゼットトラックジャンボが同様の仕様となり、室内の荷物収納スペースの確保やフロントシートのリクライニングを可能とするなどのメリットがある。さらに1トンピックアップトラックでは、コンパクトな観音開きドア追加され、後部へのアクセス性を高めているのも大きな特徴となる。

もちろんデメリットとして荷台長が短くなるのだが、新興国では幅広い用途のビジネスカーとしてだけでなく、プライベートカーとしても1トンピックアップが用いられるケースが多いため、快適性や荷物の防犯性を含め、ダブルキャブと共にこの手のボディタイプが人気なのだ。

トライトンの延長キャブ仕様は「メガキャブ」

トライトン・メガキャブ「プロ」。エントリー仕様だが、ショー展示用にカスタマイズしたもの。イエローのボディカラーはラッピングだ。アルミホイールなども装着され、スポーティな雰囲気に。

トライトンの後部スペース付キャブは、「メガキャブ」と呼ばれる。メガキャブも最新世代に進化しており、デザインから中身まで全面刷新を図っている。タフなトラックであることをアピールする最新世代のダイナミックシールドマスクは、ワイルドかつクール。加飾は仕様により異なるが、基本的なスタイルは全モデルで共有されている。

三菱のデザインアイデンティティである「ダイナミックシールド」を採用したフロントグリル。グリルは、標準でブラックだが、全体的に艶有りブラックにモディファイされている。
トライトン・メガキャブ「プロ」の荷台。
ディーゼル仕様のみの設定。

メガキャブのエンジンは、全車で2.4L直列4気筒ディーゼルターボエンジンの4N16型を搭載するが、仕様は二つに分けられる。ベーシック仕様は、150ps/330Nm仕様の6速MTのみとなるのに対して、高出力仕様となるハイパーパワー仕様は、184ps/430Nm仕様にアップデート。こちらもトランスミッションは6速MTが基本となるが、メガキャブ「プラス」の最上位グレード「ウルトラ」のみ6速AT仕様も用意。

トライトン・メガキャブ「プラス・プライム」(ハイパーパワー)。中間グレードとなる「プライム」のカスタムモデル。純正カスタムパーツも有り、フェンダーモールは、純正用品のひとつ。

メガキャブの駆動方式は、意外にも全車FRのみだ。ただし、最低地上高がスタンダード仕様の179mmに対してハイリフトされた「プラス」だと222mmまで高めている。「プラス」では、サイドステップも追加されるが4WD仕様はない。

2WDながらハイリフトされた「プラス」の足まわり。車高が高い仕様なので、RTタイヤも良く似合う。

但し、ダブルキャブ仕様とシングルキャブ仕様には4WDが用意されているが、シングルキャブ仕様の場合はパートタイム式となる。その一方で、シングルキャブにはハイパーパワー仕様も用意されるなど、過酷なビジネスシーンを想定した仕様が用意されている。

シングルキャブ「プロ(ハイパーパワー)」。
パネルバンを架装した仕様だ。

インテリアは基本的に共通だが上級グレードはSUVライクな仕様に

トライトン・メガキャブ「プラス・プライム」(ハイパーパワー)。上位グレードとなると、オートエアコンになるなど装備も良くなる。そのコクピットデザインは、日本仕様に近いものだ。

車高以外にも差別化はあり、「プラス」では内外装がSUVライクな仕様となるほか、先進安全運転支援機能も追加されるなどの装備差がある。

メガキャブの内装だが、もちろん前席周りの構造は全車共通のもの。メガキャブの特徴としては、後部の収納スペースのアクセス性を高める小型のサブドアが追加され、ドアが観音開きとなる。

メガキャブのインテリア(写真は「プロ」)。プロは、ベーシック仕様だけに内装も簡素に。
メガキャブのインテリア(写真は「プロ」)。メガキャブはMTも用意されている。

このため、後部の荷物を取る際も、前席を動かさずに済むので便利だ。後部スペースは意外と広く、ジュニアシートくらいなら設置できそう。ただ床面が少し高くなっているが、あくまでラゲッジスペースとして作られている。

メガキャブの後部ラゲッジスペース(写真は「プロ」)。前席の背もたれが倒せるので、休憩にも便利。もちろん、荷物もしっかりと積める広さを確保する。

キャビン拡大で影響を受ける荷台サイズだが、メガキャブ仕様では荷台長1860mm、荷台幅1535mm、荷台高515mm。一方、ダブルキャブだと荷台長1555mm、荷台幅1545mm、荷台高515mmとなる。奥行きが30cmも異なるとなれば、使い勝手は大きく変わる。もちろん、ボディサイズはどちらも同じだ(※2WD車での比較)。長尺物を含め、運搬がメインの使い方でなければ、メガキャブの方が魅力的に映る人も多いのではないだろうか。

荷台サイズ メガキャブ タブルキャブ
荷台長 1860mm 1555mm
荷台幅 1535mm 1545mm
荷台高 515mm 515mm
メガキャブとダブルキャぶの荷台サイズ比較(2WD車)
メガキャブの荷台の使用例。気軽に荷物をガンガン積み込めるのが、ピックアップトラックの魅力だ。

最安値は「GSR」の半額!? メガキャブの価格は……

最も安い「MEGA CAB ACTIV」が62万2000バーツ(約261万円)。最上位のAT車の「MEGA CAB PLUS ULTRA AT」が94万6000バーツ(約396万円)となっている。ちょっと高いなぁと思うが、日本では「GSR」に相当するダブルキャブ仕様の最上級バージョン「ATHLETE 4WD AT」が、129万8000バーツ(約544万円)なので、日本ではトライトンがタイと同等価格であることが分かり、タイ生産と装備内容を鑑みれば日本仕様がお得だと分かる。(※1バーツ=4.19円)

バンコクモーターエキスポ2023で公開されたメガキャブをフルカスタムした仕様も展示。ピックアップトラックの巨大市場であるタイらしい提案だ。

日本のビジネス向け小型トラックはキャブオーバーの一択となっているため、日本向けのメガキャブ仕様の導入の可能性は極めて薄い。しかし、趣味でトラックを活用したい人にとって広い荷台と快適性が高まるメガキャブ仕様は、ちょっと気になる存在かも知れない。

フルエアロ仕様となったトライトン メガキャブ。ここまで仕上げれば、これもスポーツカーのひとつ!?
リヤゲートにカーボンスポイラーを装着した荷台。
アドバンレーシングの20インチホイールに255/40R20サイズのアドバン・ネオバAD09を装着。

トライトン・メガキャブ・フォトギャラリー
in『バンコクモーターエキスポ2023』


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