鹿児島知事に元テレビ朝日コメンテーター三反園氏 現職伊藤氏破る

[ 2016年7月10日 23:10 ]

 任期満了に伴う鹿児島県知事選は10日投開票され、無所属で新人の元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓氏(58)が、4選を目指した現職の無所属、伊藤祐一郎氏(68)を破り、初当選を果たした。投票率は56・77%で、2012年の前回の43・85%を上回った。

 三反園氏は民進、社民両党のほか、伊藤氏に批判的な一部の保守層も加勢し、選挙戦を制した。全国で唯一再稼働している九州電力川内原発(同県薩摩川内市)に関しては、熊本地震を受けて一時停止して点検する必要があると主張。反原発団体も推していた。

 三反園氏は10日夜、鹿児島市の事務所で「原発のない社会をつくっていくのがトップの役割だ」と脱原発を訴えた。九電に川内原発の一時停止を申し入れるかについては「いろんな人と相談し、一番良い方法を検討したい」と語った。今後の三反園氏の対応次第では、政府の原発政策に影響を与える可能性がある。

 三反園氏は川内原発について「熊本地震などで県民は不安に思っている」と指摘し「安全性が確保されていない原発を動かすわけにはいかない」と強調した。その上で「鹿児島を自然再生エネルギー県にしていくことで雇用を生み出したい」と抱負を述べた。

 敗れた伊藤氏は、県の財政改善など3期12年の実績と経験を前面に出し「県政は広範囲にわたり、素人ではできない」と続投への信任を呼び掛けた。川内原発に関しては安全性を主張していた。自民、公明両党の手厚い支援も受けたが、三反園氏の追い上げを振り切れなかった。

 県選挙管理委員会が発表した11日午前0時半現在の開票速報は、開票率89%で三反園氏が約36万7千票、伊藤氏が約32万6千票となっている。

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2016年7月10日のニュース