トヨタ 富士スペシャルで初V狙う!

[ 2008年10月10日 06:00 ]

メッセージが書き込まれた旗を広げてポーズをとるトヨタ・トゥルーリとグロック(右)

 F1第16戦日本GP(12日決勝)は10日、静岡・富士スピードウェイ(1周4・563キロ)で開幕する。今季表彰台2度のトヨタは地元・富士に向けて開発を進めてきた特別仕様のマシン“富士スペシャル”を投入。レースでは懸念されていた雨の可能性は低く、参戦7年目で初の優勝を狙う。

 「さあ、ホームグラウンドだ」。午前中のミーティングでリチャード・クレーガン・チームマネジャーが開口一番に発したこの一言でチームは一気に団結した。昨年のホームGPは豪雨に泣かされ13位とリタイア。新居章年技術コーディネーション担当ディレクターは「強くなって帰ってくると誓って戻ってきた」。1年前のリベンジを果たす舞台がやってきた。

 今季のトヨタは2位1回、3位1回、4位3回と初優勝まであと一歩で、シーズン後半も勢いが衰えない。各チームは車両規則が大きく変わる09年以降のマシン開発に集中しているが、山科忠チーム代表は「スタッフにハッパをかけ、地道に今季の開発を進めてきた」と富士に懸ける思いは強い。相対的にマシンの戦闘力が上がり、速さが増してきた。
 今回は天の恵みも受けそうだ。今季は雨でスタートした決勝は3レース中、入賞1回(7位)と大苦戦。週末の天候が気になるが、チームの最新気象予報によると、予選(11日)と決勝(12日)の降水確率は10~30%。新居技術コーディネーション担当ディレクターは「(路面は)ドライでいける」とニンマリ。山科チーム代表も「空力パーツで“富士スペシャル”を導入し、表彰台の中央を狙う」と宣言した。

 ヤルノ・トゥルーリとティモ・グロックの両ドライパーも「チームの雰囲気は最高潮だ」と意欲に満ちあふれている。参戦7年目のトヨタはF1チーム最多の推定年間約4億456万ドル(約408億円)の資金を投入しながらいまだ勝利なし。約650名のチームスタッフが一丸となってホームコースでの悲願の初優勝を目指す。

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2008年10月10日のニュース