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井上尚弥、5万超観衆の前で「何もさせずに勝つ」 VS“悪童”ネリ 5・6東京D国内初4大世界戦

[ 2024年3月7日 04:45 ]

4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ   統一王者・井上尚弥-WBC1位ルイス・ネリ ( 2024年5月6日    東京D )

笑顔で記念撮影する井上尚弥(左)とルイス・ネリ(撮影・沢田 明徳)
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 プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(30=大橋)が6日、都内のホテルで会見し、5月6日に東京ドームでWBC同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)相手に防衛戦を行うことを正式発表した。90年2月のタイソン―ダグラス戦以来、34年ぶりの東京ドームでのボクシング興行。“悪童”改め“優等生”と対面した井上尚は、国内初の世界戦4試合同時興行のメインイベンターとして、5万超の観衆を沸かせる完勝を宣言した。

 世紀のビッグマッチ実現にも、井上尚は冷静だった。サングラス姿で登場すると、初対面となったネリとは笑顔で握手。「東京ドームで行われるタイソン戦以来の試合。凄くモチベーションが高いし、ネリという強豪を迎えるにあたり、気を引き締めていかないといけない。白熱する試合になる」と高揚感を抑えるように、冷静な口調で話した。

 一方、ネリは開口一番「再び日本の地を踏むことができて大変うれしく思う。まず皆さまに申し訳なかったと謝りたい。2度、皆さまを裏切ったが、今回は節制をして、きちんと調整している」と過去の謝罪から始めると終始、平身低頭だった。井上尚と目が合うと軽く会釈し、写真撮影では両手を前で組み気まずそうにする姿に“悪童”と呼ばれた頃の面影はなかった。

 優等生に豹変(ひょうへん)した元世界王者だが、過去の体重超過など、禍根は今も残る。WBCは試合の30日前、15日前、7日前の事前計量を実施し、抜き打ちを含むドーピング検査も徹底し、トラブル再発防止に努める。ネリはすでに60・7キロで60日前の計量をクリア。55・3キロのリミットへ減量は順調だが、大橋秀行会長は「(1ポンドでもオーバーしたら)絶対やりません」と明言した。

 戦前から話題には事欠かないが、4本のベルトを持つ井上尚にとって、4連勝中と勢いに乗るKO率75%超の強敵との一戦は最高のモチベーションだ。大橋会長は「怖さは過去一番。これまで尚弥を倒しにくる相手はいなかったが、今回は初めて」と警戒する。日本人がメインでは最多となる5万人超の観衆が見込まれる一戦。「過去一仕上げなければいけないし、ネリに対して何もさせずに勝つことを目指したい」。4団体統一王者としての意地と誇りを示す。


 ○…4大世界戦が組まれた同興行は国内初の“クアドラプル世界戦”となった。創立30周年を迎える大橋ジムからは4選手が出場。先月、防衛に成功したばかりの井上尚の弟、拓真は中2カ月で強行出場。さらには元K―1王者の武居がボクシング転向3年、わずか9戦目で世界初挑戦。井上尚が20年に対戦した強敵J・モロニーに挑戦し勝てば国内初のK―1&ボクシング世界王者となる。

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