小西伶弥 世界奪取へ「自信しかない」 1Rから打ち合い宣言「チャンスあれば倒していく」
ボクシング IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ 王者フェリックス・アルバラード(ニカラグア)《12回戦》同級3位・小西伶弥 ( 2019年5月19日 神戸ポートピアホテル )
挑戦者の小西伶弥(25=真正)が2度目の世界戦を9日後に控えた10日、所属する神戸市垂水区の真正ジムで報道陣に練習を公開した。体慣らしのシャドーボクシングとミット打ちが各2回。その後は大鏡に向かって体の動きをチェックした。既に調整は最終段階に入っている。
――会長からまずは今の状態を。
山下正人会長 約1週間前となって今のところケガもなく、いい感じで仕上がってると思います。試合が楽しみです。
――次に小西選手に聞きます。今の調子と仕上がり具合は。
小西 ケガもなく特に体調崩して練習できなかったことも一回もなかったんで、東京へ出稽古へ行ってしっかりスパーリングを積んで、それ以降も(真正)ジムで120ラウンドぐらいスパーリングを。しっかりこの1カ月半追い込むことができたんで、かなりいい状態で行けるかなと思います。
――江藤日出典トレーナーは。
江藤トレーナー 1カ月半前からスパーリングをやってきたんですけど、3カ月前に下半身強化から始めてスパーリングも会長に東京に行かせてもらってチャンピオンの京口選手(紘人)、元日本チャンピオンの黒田(雅之)選手の胸を借りてやって、すごい勉強になりました。いいところ、悪いところ、ハッキリしたんで、それを修正していって、最後の方は結構、話し合いながら。話して意見を交換していくうちに、ああ、こんなことも分かってなかったのかというのが見えてきて、でまあ本人もああこんなやり方があったんだというのが分かったんで、それで結構、ボクシングスタイルが変わってきて、いい結果が出せると思ってます。
――会長は先程、今までで一番、調子はいいと話してました。
山下会長 前回、世界戦で負けてからね。ずっとタイトルマッチをしてる訳です。そういう面でずっとモチベーションが下がらないままここまで来てるし、前回の防衛戦(2018年12月1日のアジア・パシフィック王座防衛戦)については正直、良くなかった。でもその良くないのが却って今回の世界戦のええ方に向いてきてると思います。いろんなことで。今回は江藤トレーナーとかなりいいコンビで試合に臨んでくれると思ってます。
――王者アルバラード(36戦34勝30KO2敗)については。
江藤トレーナー とにかく強いと思いますね。どの映像を観ても前半で倒してるんで、弱点みたいなものはあまり見当たらないんですが、まあ、前回のカニサレス戦(昨年3月のWBA世界ライトフライ級王座決定戦)よりも伶弥にかみ合うんじゃないかと思ってますし、本人もそう思ってます。で、アルバラードに勝つための練習はしっかりやってきたんで。自信はあります。
――小西選手はアルバラードについて。
小西 そうですね。江藤さんが言ってくれた通り、ホントに強いチャンピオンやと思ってますし、今まで戦ってきた中でも一番経験者で強い選手です。まあ、でもホントにここ3カ月で勝つための練習しかしてこなかったですし、勝つことしか考えてないんで、もう、自信しかないんで、もう、負けることなんか考えてないです。
――現時点での決着のイメージは。
小西 後半で巻き返すというイメージがついてるんですけど、チャンスがあれば、倒していこうと思ってます。1ラウンド目からガチガチ、ガッツリいこうと思ってます。
――江藤トレーナーからボクシングスタイルが変わってきたという話がありました。具体的には。
江藤トレーナー 試合前にはちょっと話せないんで、これは。基本的なことで、できてないことがあって。なんでなんだろうって。いくら二人でやっていってもできなくて、結局、話し合いの中でなんでこうなるのって話してたら、すごい大きく勘違いしてるところがあって、エッ!そんなこと考えながら戦ってんのっていうのがあって。それで本人もアッ!そうなんだってなって。それをやり出してからすごい良くなってきて、僕ら(トレーナーは)当たり前に選手がこう思ってんだなってことが分かってなかったというか、まあ、そういうことを話す機会があって良かったですね。
――スタイルが変わったというのは分野的にはどの辺のことなんでしょうか。
江藤トレーナー 基本的なことですね。パンチの打つ場所とプレッシャーの掛け方。まあ、プレッシャーの掛け方ですね。それをやることによってスパーリングパートナーもエッ!って感じで、変わったねって言い出して。分かってなかったですね(笑い)。
――後半で巻き返すという話でしたが、スタミナ面の強化は。
小西 スタミナに関しては全然、問題にしてないですね。世界戦とアジア・パシフィックで12ラウンドを経験して、今回に向けて走り込みとスパーリングも120ラウンドくらいしてきたんで、スタミナに関してはもうホントに全然。1ラウンドから最終ラウンドまで打ち合うつもりなんで、もう、体力面では問題ないなと思ってます。
――前回の世界戦はケンカスタイルというか、とことん打ち合うという感じで戦ったと思うんですが、その辺の経験はどう生きてますか。
小西 (初めて)世界戦をするまでのスパーリングとかは一発当てたら止まるやろうという感覚でずっとやってきました。この前の世界戦の時も一発当たって満足してた自分があったんで。それにつなげるためのポイントだったり、次のパンチだったりっていうのを考えてなかったんで。今回はアジアのタイトル戦でもボディー打ったら次ぎにつなげるパンチというのを試合でもスパーリングでもしっかり修正してきたんで、それをしっかり次の試合でも出してポイントを取って、もしKOの流れになったらそれもしっかりまとめていって倒していけたらなと思ってます。
――関東への出稽古で学んだことは。
小西 そうですねえ。本当に強いお二人だったので。学ぶというか、まだまだ、自分はレベルの低い世界でやってきてたんだなと思いましたね。黒田選手に関してはホントに、一番最初に拳を交えた時にボコボコにされまくって結構、落ち込んだんですけど、そこからいろいろ修正して、いろいろ考え方も変えて、2回目以降は少しいい感じにスパーリングもできました。自分もこうやって頭を使ってやれれば、ここまでいけるんだなっていうのを思って、自信になりました。
――同門の佐伯霞選手(4月27日のWBO女子世界ミニマム級タイトルマッチ)の試合は観ましたか。
小西 生では観てないです。映像で観ました。ホントに才能あってめちゃめちゃ天才やと思うてるんで、あの勝ち方観て、まあ、当然やろうなと思いました。
――同門の世界戦でそれを引き継ぐ立場としては。
小西 4戦目で世界チャンピオンになっちゃったんで、逆に僕が何を言おうと何か説得力がないちゅうか、いやあ、まあまあ、後輩に恥じない試合をしようと思っています。
――5月26日にはやはり同門の久保隼選手が敵地、中国でWBA世界フェザー級タイトルマッチを戦います。
小西 まあまあ、そうですね。(世界タイトルを)取らないとなという気持ちですね。
江藤トレーナー いやいや(小西には)そんなのないです。B型の自己中なんで(笑い)。
小西 すみません。そんな感じです。
――ほぼ同じ日に井上尚弥選手のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)準決勝がスコットランド・グラスゴーで行われます。(対戦相手はIBF王者のマヌエル・ロドリゲス)。
小西 井上選手も同じIBFのタイトルマッチなんで。同じベルトですし、その日に同じ赤いベルトを取ろうという感じですね。
――井上選手は同学年ですね。
小西 そうですね。同い年ですね。でもなんか、かけ離れすぎてあんまり意識してないです。
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