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村田 KOより勝利優先「焦らないこと 倒したいという欲や邪念をいかに抑えて臨めるか」

[ 2018年4月15日 05:30 ]

ダブル世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ ( 2018年4月15日    横浜アリーナ )

計量をパスした村田(左)とブランダムラ
Photo By スポニチ

 ダブル世界戦の前日計量が14日に都内で行われ、WBA世界ミドル級タイトルマッチは王者・村田諒太がリミットの72・5キロ、挑戦者ブランダムラが200グラム軽い72・3キロで、ともに一発パスした。初防衛を目指す村田はKOが期待される一戦へ「邪念をいかに抑えるか」をテーマに掲げた。

 淡々と計量をパスした村田だったが、すっぽんスープを口にしてすぐに汗が噴き出すのを実感すると「ホッとしてます」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。減量は「加齢とともに少しずつ体重が増えているけど、変わりなく問題ない」。挑戦者ブランダムラと20秒間にらみ合い、「いい体はしているけどフレーム的には僕の方がデカい」と自信も深めた。

 初防衛戦へ順調に練習を積み重ね、今週から調整のため都内のホテルに宿泊。空いた時間は読書や映画観賞に充てている。愛読書のヴィクトール・フランクル著「夜と霧」を読み返し、ナチスの強制収容所を生き抜いた人々に「減量から解放されたボクサーの心境とかぶるところがある」と共感。映画は「マイティ・ソー」で、「マーベル・コミックのシリーズが大好き。ヒーローがただカッコ良くて強いだけじゃなく、どこかに闇を抱えている。その部分にひかれる」と解説。こちらも「闇を抱えていないボクサーなんていないと思う。でなきゃ人と殴り合うのを職業にしない」と自身と登場人物を重ね合わせた。

 だからこそ、初防衛戦では生存者やつわものの心に生まれる「欲」を捨てて戦う。怖いのは慢心と、KOを欲張って前のめりになり有効なパンチが打てなくなる展開。「焦らないこと。倒したいという欲や邪念を、いかに抑えて臨めるか」と自分を戒めた。同じ興行に出場する比嘉が計量失敗で王座剥奪。「いわば身内のことをとやかく言う性格じゃない」とコメントを避けたが、ドーピングや体重超過に揺れるボクシング界に希望をもたらすのがヒーローの役目だ。

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2018年4月15日のニュース