【浜田剛史氏の展望】中盤までは五分 後半勝負になれば面白い
WBA世界ミドル級王座決定戦 同級1位 アッサン・エンダム≪12回戦≫同級2位 村田諒太 ( 2017年5月20日 有明コロシアム )
誇張でも強がりでもなく、村田の調子は間違いなく今までで一番いい。調子の波こそあったが、練習期間が長かった分、試合前にやるべきことがここまではできている。
エンダムはスピードがあり、足もパンチも速い選手。右の一発もあるが連打を出してくるタイプで、手数を出しながら動く。村田としてはブロックでしっかり防いでも相手のポイントになることを承知の上で、まずは相手のスピードに慣れることが大事だ。3回まではポイントを失ってもプレッシャーをかけて中盤には自分の距離にし、打ち合う場面をつくりたい。中盤が終わって五分ぐらいの展開に持ち込み、後半勝負になれば面白い。
一番良いのは、相手をロープに詰めて打ち合うパターン。そこでキーポイントとなるのが右から返す左のボディーだ。今回、右をショート気味に打っているのも左へスムーズにつなげるため。ただし、ボディーで倒す必要はなく、ダメージを与え続けて相手を前かがみにさせ、顎を前へ出させて狙いやすくしたい。村田が倒すのはあくまでも右だ。(元WBC世界スーパーライト級王者)
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