×

荒川 判定で新王者、WBO世界ランク入り有力「ここで終わりじゃない」

[ 2017年1月31日 22:16 ]

ベルトを手に試合を冷静に振り返る荒川
Photo By スポニチ

 ボクシングのWBOアジアパシフィック・ライト級王座決定戦12回戦は31日、東京・後楽園ホールで行われ、同級2位の荒川仁人(35=ワタナベ)が同級4位アンソニー・サバルデ(24=フィリピン)に3―0で判定勝ちし、新王者となった。荒川は日本(2度)、東洋太平洋王座に続き、3種類目、4本目のライト級のベルトを獲得し、WBO世界ランキング入りを有力とした。

 サウスポー対決で先手を取ったのはサバルデ。ワンツーから強烈な右の返しを打ち込んだほか、アッパーも多用して序盤はポイントを奪った。荒川は左ボディー主体に上下を打ち分けて中盤にポイントを取り返したが、8回にワンツーを受けてよろめき、あわやと思わせた。しかし、終盤はコンビネーションがさえてサバルデを何度も棒立ちにさせ、10回には左ダブルからメッタ打ちにするシーンも。ダウンを奪うことはできなかったが、採点は2者が115―113、1者が116―112でいずれも荒川を支持した。

 「勝てて素直に良かった」と話した荒川は、判定まで粘られたことについて「自分の実力不足」と苦笑した。それでも、相手がアッパーを多用すると読んで左ガードを固めるなどディフェンス中心の練習が功を奏し「アッパーは1、2発もらったけど、ほとんどガードの上。攻撃ではまっすぐのパンチ、肩越しから打ち下ろすことができた。練習してきたことがそれなりに出せた」と満足感も示した。

 WBO世界ランク入りを優先して、昨年、5年ぶりに獲得した日本ライト級王座は返上。期待された現日本王者・土屋修平(角海老宝石)との対戦は実現しなかったが、「タイミングの問題。お互いチャンピオンで勝ち続ければ、いつかはぶつかると思う。決まれば誰とでもやりますよ」と静かに話した。2度目の世界挑戦にも意欲的で「ここで終わりじゃない。1つ1つ積み重ねて、目指しているものに向けて練習していきたい。一時期は引退すると言われていたが、ここまで戻ってこられたのは自信になる。僕は諦めが悪いので」とベテランらしく語った。

続きを表示

2017年1月31日のニュース