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山中“神の左”精度アップ!モレノ右腕L字ガードに“弱点”

[ 2016年9月16日 05:30 ]

計量をクリアしポーズをとる山中慎介(右)とアンセルモ・モレノ

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介≪12回戦≫同級1位アンセルモ・モレノ

(9月16日 エディオンアリーナ大阪)
 ボクシングのWBCダブル世界戦の前日計量が15日に大阪市内で行われ、バンタム級は王者・山中慎介(33=帝拳)がリミットいっぱいの53・5キロ、同級1位の挑戦者アンセルモ・モレノ(31=パナマ)は53・4キロでパスした。1年ぶりの再戦となる山中は前回の反省を生かした“ピンポイントボディー”で、国内歴代2位に並ぶ11度目の防衛を目指す。スーパーバンタム級は王者ルイス、3階級制覇を狙う挑戦者・長谷川ともリミットの55・3キロだった。

 計量直後、ペットボトルを一気飲みした山中は「汗が噴き出た。調子がいい証拠」と自信をみなぎらせた。昨年9月に2―1判定で下したモレノが「負けていない」と言っていると聞かされると「(相手も)勝ってはいないですね」と繰り返して強調。「厳しい戦いを覚悟してるけど、確実に自分が勝ったと思わせる試合をする自信はある」と静かに言い切った。

 1年前に“神の左”を空転させられたモレノの映像を徹底的にチェックし、対策を練ってきた。防御が持ち味の相手に対し、前回の戦い方は「ガードの上からでも打つ」だったが、今回は「空いたところを狙ってピンポイントで打つ」だ。その一つがボディーストレート。ジムワークでもミット打ちで念入りに確認する山中の姿が目立った。

 左構えのモレノは右腕をLの字に立てて体に引きつける「L字ガード」でボディーをカバーしている。山中はモレノがその右腕を体に密着させず、浮かせて構えていることに気づいたという。L字ガードを打っても上体を左にひねりながら浮かせた右腕を体の中心方向へスライドさせるためダメージを与えられなかったが、体をひねればその分右ボディーは空く。角度を工夫したストレートを隙間に打ち込むことでKOにつなげる狙いだ。

 6月末から1週間の沖縄キャンプで走り込み、“神の左”を生む強じんな下半身をつくった。試行錯誤しながらも、世界戦最多計140ラウンドのスパーリングで精度も上げた。「いいパンチが当たれば強引に行くかもしれない」。試合後に食べたいものを問われると「それより吉本新喜劇が見たい」と「なんばグランド花月」観劇を希望。報道陣を笑わせる余裕に、絶好調ぶりが見て取れた。

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2016年9月16日のニュース